Airbnbの体験サービス その本質と次の一手を考えたコラム!

民泊エアビーの「体験」サービスで真の競合相手は誰なのか? その本質と次の一手を考えた【外電コラム】

(トラベルボイス 2018年3月29日)
https://www.travelvoice.jp/20180329-108115
Airbnbの体験に関する考察として興味深い記事が掲載されていた。
Airbnbの体験は、Airbnb以外でやってきた参加者と一緒になることはない。また予約を受けたら、ホスト側は赤字になっても必ず催行しなくてはならない。
ホストの人間性を前面に出しており、定番のツアーと異なる点が、「Airbnbだけでしか体験できないユニークな内容」ということになるようだ。
ただ、少人数でも催行しなくてはならないため、赤字になるケースもあるなど問題点もありそうだ。
【ポイント】
「Airbnbエクスペリエンス」での体験やツアーは、「独占的な、他にはない特別な体験を提供するサービスモデル」にある。

Airbnb利用客が体験ツアーなどに参加する際、他のAirbnb利用客と一緒になることはあっても、Airbnb以外のオンライン旅行サイト経由でやってきた参加者と一緒になることはない。
Airbnbで販売されていたツアーと同じ日、同じガイド、同じツアーの組み合わせを予約することは不可能だ。
サプライヤー側は、Airbnb経由で予約が入り次第、他の流通チャネルでの販売をストップする。逆に、Airbnb以外の販売ルートから予約が入れば、すぐにAirbnbでの販売はストップする仕組みになっている。
Airbnbではホストを重視するが、他の販売サイトが扱うツアーは、ガイドが案内するものが主流。
Airbnbは、少人数での予約対応にフォーカスしている。
予約を受けたら、ホスト側は必ず催行しなくてはならない(たとえ赤字でも)。ホストにとっては辛い部分だが、「エクスクルーシブ・サプライ」であることを謳っているので、他社から同じツアーへの予約を取ることも不可だ。
「Airbnbだけでしか体験できないユニークな内容です」と言われると、他社の商品などと比較しても、ずっと魅力的に思える。

P2P(person to person=個人から個人へ)事例には、以下の3タイプがある。
(1)個人が単発での特別体験を提供するケース
P2Pモデルで、参加者が少なくても成立する反面、定番の人気コースには向いていない。
似たようなツアーが30本も並ぶ結果となり、一定規模の収容力が必要。ガイドによる違いも出しにくい。

(2)マーケットプレイスが企画するツアー
内容はあらかじめ決められており、ツアーガイド側は、自分が対応できる内容のものに登録する。
参加者の数の増減に対応しやすい。都市部であれば、リストに掲載する体験ツアーは50種類ほどでも、ガイドやホストを百人単位で確保できる。同じ内容を、複数のガイドやホストが提供するため、オペレーション体制も安定している。

(3)Airbnb型モデル
確実な催行とエクスクルーシブであることを保証しているため、参加者数が一定以下だった場合は赤字になるリスクあり。

参加者数が少なかった場合の問題点の事例
最初の数か月間は、一部のホストに対して予約が「満席」だった場合と同等の報酬を保証した。
マイアミの音楽スタジオでレコーディング体験をホストする場合、当初一か月当たり2500ドルだった。その後他の仲間も加わり、現在一か月の利用客は1~2人ほどで、利益を出すのは厳しい。
業界関係者は、やがてAirbnbもエクスクルーシブ・サプライという方針をあきらめ、 既存のツアー会社の商品を扱うようになるとの予想が多勢を占める。
Airbnbでは、ホテルの取り扱いも始めており、これと同じ道を辿るだろうという見方だ。その結果、オンライン旅行会社と同じような存在になっていくという。

筆者は、Airbnbにはもっと明確な将来への戦略があり、あえて小規模では利益が出にくい分野に進出することにより、「差別化」を進めるのではないかと考える。
• ユニフォーム: エクスペリエスのホストは、Airbnbのユニフォームを着て接客。オンリーワンの体験を提供しているブランドのアピールにもなる。
• 旅行の価値のアップグレード: Airbnbの体験ツアーに参加している人=Airbnb利用客。この状況を活かし、より思い出深い体験を楽しんでもらうと同時に、Airbnbなら思い出に残る旅行ができるという認識を深めてもらうことができる。
• OTA各社での流通: Airbnbエクスペリエンスが、OTA各社の取り扱い商品になる。エクスペリエンスの各種体験は、Airbnbのみで提供している(ツアー内容、日程、時間など含めて)との原則通りであれば、エクスペディアやトリップアドバイザー/ビアターなど、流通各社が販売することも可能だろう。他社商品と競合するなどの問題も発生しない。
• Airbnbが既存のツアー商品を扱う: 旅行業界で流通しているツアーの大部分は(今のところAirbnbには掲載がない)、車を利用するもの(例:アトラクション施設への交通手段、市内観光など)が多いため、エクスクルーシブ・サプライ方式では提供しにくい。
もしかしたら、私の予想はまったく逆で、むしろAirbnbはエクスクルーシブ・サプライ方式から方向転換し、主要OTA各社と見分けがつかなくなっていくのかもしれない。――あなたはどう思いますか?


※この記事は、英デジタル観光・旅行分野のニュースメディア「DestinationCTO」に掲載された英文記事を、同編集部から承諾を得て、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集した。