繊維の街「日暮里」に外国人観光客 手芸素材まとめ買いに殺到!

日暮里の繊維街に外国人観光客 手芸の素材まとめ買い  
品質やデザインの良さ魅力、成田空港との直通電車も追い風

(日経電子版 2018/3/31)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO28476570T20C18A3H34A01?channel=DF220420167277
生地・資材屋が集まる日暮里繊維街に訪日客が増えている。日本の製品の品質への信頼が繊維製品などにも及んでいるようだ。
「富岡製糸場が有名だからか、日本製シルクを探している」という人も多いという。
安易なお金儲けだけでなく、品質の良い品物を適正な価格で販売する。ここから生まれる信用を忘れないでほしい。
【ポイント】
成田空港と東京都心を結ぶ日暮里駅には、80軒を超える生地・資材屋が集まる日暮里繊維街があり、最近、外国人を多く見掛ける。
「リヨンでこんな場所はない。日暮里ならたくさん生地があると友達に薦められた」
「買った生地でドレスやシャツを作りたい」
「自国より安い」
「日本製の綿を自分用に探している」
「タイにも似たマーケットがあるが、ここなら布もアクセサリーもなんでもそろう」
「富岡製糸場が有名だからか、日本製シルクを探している人が多い」という。日本製の生地は色が落ちにくくて縮みにくいなど、品質に定評があるようだ。
和柄も人気で、6年ほど前からミャンマー人が多く訪れるようになった。ミャンマーの民族衣装「ロンジー」では和柄が人気で、土産需要があるという。多い場合は1人当たり100枚ほど買う。価格は2メートルで800~2000円台。生地を買っていた、ミャンマー出身の留学生は「ミャンマーではみんなこの店を知っている」と話す。
金の色をふんだんにつかった和柄は東南アジアの消費者に人気がある。欧米人はアロハシャツなどを作るそうだ。外国人向けに品ぞろえを特化する店も出てきた。「30年ほど店をやっているが、今ほど売れたことはない」という。

日暮里が繊維の街として業者が集まり始めたのは明治時代の終わりごろ。戦後までは布地の卸売りが中心だった。DCブランドブームのときはデザイナーや服飾学校の学生が買い付けに来るようになった。
繊維の街としては国内では他にも大阪市の船場や名古屋市の長者町などが有名だが、生地問屋は日暮里ほどは残っていない。
「日暮里では少量から販売する店が多くて小回りがきく」という。
日本の着物生地を使ったイスラム教徒(ムスリム)向けの衣料品をインドネシアなどで16年に売り出した。一般的な初任給の2万~3万円ほどするため富裕層向けに展開。髪を覆うヒジャブ(スカーフ)などが人と違うデザインを求める消費者に人気で、売り上げを伸ばしている。
アラブ首長国連邦(UAE)やカタールで販売している店では、関税がかかり7万~15万円と高価格だが、日本の素材や柄の評価は高いという。
ムスリム男性の白い民族衣装「トーブ」でも日本の素材が普及している。
ムスリムの女性が外出の際に全身を覆う「アバヤ」向けには、三菱ケミカルやクラレが素材を販売している。
機能性や深い黒の色などに定評がある。

日本製の生地は世界の名だたる高級ブランドからも支持を得ている。フランスで開かれる世界最大級の服地見本市、プルミエール・ヴィジョン(PV)での日本メーカーの存在感も増している。
アパレル販売の不振もあって最近の繊維産業は元気がないが、世界中の手芸ファンが集まるNIPPORIの街をみていると、日本の繊維ビジネスの可能性の高さを改めて感じる。