外国人にあえて夕食付き 城崎温泉、定説覆す集客術!

外国人にあえて夕食付き 城崎温泉、定説覆す集客術  
データ分析で見えないニーズ発掘

(日経電子版 2018/5/1)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO29250080R10C18A4000000?channel=DF220420167277
豊岡市のインバウンド戦略は明確で、確実に成果をあげている。
城崎温泉の17年の外国人宿泊者数は、東アジア50%、欧米豪30%。早くから『ロンリープラネット』で紹介されたこともあり欧米豪の比率が高く、欧米豪をターゲットに選んだという。
「ウェルカムカード」で誘客して、来訪者が来る地域をQRコードで調べた手法もユニークだ。
泊食分離が必要と叫ばれるなか、『人に勧めたい度』のNPS調査により、「夕食付き」の方が人気が高いことも分かったという。
【ポイント】
兵庫県豊岡市にある城崎温泉は欧米豪を中心に、外国人宿泊客数を5年で10倍に伸ばした。緻密なデータ分析をもとに、夕食付きプランは外国人に受けないという定説も覆した。
17年の城崎温泉の外国人延べ宿泊者数は、東アジアが約50%、欧米豪が約30%。全国平均から考えると、欧米豪の割合は高い。
全国的には前年比で大きく伸びている韓国や中国が、城崎温泉では伸びていない。一方、欧米豪は十数%伸びている。偶然ではなく、ターゲットを狙って対策した結果です。
欧米豪をターゲットに選んだ理由は、欧米で人気のあるガイドブック『ロンリープラネット』で紹介されたこともあって、城崎温泉では、08年ごろには『欧米を狙おう』という声があった。
城崎温泉は、団体ツアー客をどんどん集客できるような大型の宿泊施設もありませんし、買い物を目当てに来るようなところでもなかった。
アジアの訪日客は買い物を好む傾向があり、団体客の割合も多い。一方で、欧米豪の方は、文化体験的な「コト消費」を好む傾向にある。
Wi-Fiの移動データで、どこから城崎温泉に来たかを調べ、欧米豪に人気のある京都や飛騨高山に絞ってPRした。
欧米豪の方が泊まっている京都のホテルのコンシェルジュの方にウェルカムカードを配って、『行き先を探している人がいたらぜひ紹介してください』と営業をかけた。
このウェルカムカードは、京都だけでなく、大阪と神戸でも配っている。
そこには宿泊予約もできる『Visit Kinosaki』という豊岡市の観光情報サイトにアクセスするたQRコードを、配布場所ごとに異なるQRコードを掲載した。アクセス数で反応がいい場所が分かった。
NPS(ネットプロモータースコア)と呼ばれる『人に勧めたい度』を測る調査がある。
この調査で、旅館で1泊2食付きプランを経験した外国人のほうが、1泊朝食のみプランを選んだ方よりも『他の人にオススメしたい』と思ってくれる。
城崎温泉にある旅館は、1泊2食付きがスタンダードなプランだったが、外国人観光客に合わせて1泊朝食のみプランを用意し、実際にそれを選択する人も増えてきました。だから最初は好きでそれを選んでいると思った。でもNPS調査によって、『夕食が付かないプランがスタンダードだ』と思いこんでいるだけだと気付き、『日本の旅館は夕食付きが普通で、お勧めなんですよ』と説明すると、プランを変更する人も多い。
もっとコミュニケーションを取って、城崎温泉らしいことを体験してもらうことで感動を呼び、クチコミを書きたい、友人に勧めたいという動機づけにつなげていくことが、理想的です。
あくまでデータは予想や仮説を立証するもの、打ち手や施策の合理性を説明するためのもの。
豊岡市大交流課がインバウンド施策に取り組み、プロパーが7人、外部から3人の人材を受け入れている。
一方で、知見を深めてもらおうと、積極的に外部への出向を行っている。現在、約10人が楽天や日本航空、日本政府観光局(JNTO)、DMO(一般社団法人豊岡観光イノベーション)などに出向している。
民間との連携も大切です。
これまでの契約関係だけではなく、お互いで地域課題を解決していくパートナーシップを築く必要がある。