民泊に厳しい「京都市ルール」 民泊営業の受理ゼロ!

厳しい「京都市ルール」に手探り 民泊営業、まだ受理ゼロ

(京都新聞 2018年05月15日)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180515000091
民泊に対する自治体の取り組み姿勢は関西でもマチマチだ。
その中でもインバウンドが急増している京都は、最も民泊に厳しい条例を制定するとともに、運用も厳しいようだ。
宿泊場所の不足があるから民泊を認めようとの流れから、供給過剰の心配が生まれる状況になると、政治的判断も異なるだろう。
もともと家主不在型の民泊は地域住民にとっては問題が多い。京都の成り行きに注目したい。
【ポイント】
住宅宿泊事業法(民泊新法)施行が1カ月後に迫る中、京都市では開業希望者から窓口への問い合わせが相次ぐ一方で、書類提出はわずか6件、届け出受理はゼロだという。
厳しい市の独自ルールを前に手探りの業者らが多いとみられるが、国際観光都市・京都の潜在的な民泊需要は大きく、周辺住民の暮らしに悪影響を与える可能性がある「家主不在型」の動きが注目される。

京都市の届け出窓口には、民泊開業を希望する市民や事業者が次々に訪れた。「今日で窓口訪問は5回目。やっと必要書類をすべて提出できた」と話した。消防による実地調査や多くの書類などが必要で、この男性は準備開始から2カ月かかったという。

事務手続きの多さが書類提出に至る業者がまだ少ないことの一因になっているとみられるが、市はビジネス志向が強い家主不在型の開業希望者が手探りの状況にあると分析する。
書類が提出された6件はすべて、国際交流などを期待する家主居住型だった。
窓口での相談内容も現状では家主不在型の方が少ない。

家主不在型の開業には、物件管理を手がける事業者の確保が不可欠で、同事業者は国土交通省に登録する必要がある。しかし、民泊新法施行の6月15日時点で登録予定の管理事業者は全国で156、京都市内は15にとどまっていた。

京都市内のホテル客室数の伸びも著しい。2020年には1万室以上の供給過多になるとする民間調査結果もあり、市は「民泊開業の動機が薄れつつあるのではないか」と推測する。
だが、6月15日が近づくにつれ、届け出が相次ぐ可能性がある。

不動産会社「エリッツ」(下京区)は、自社が所有する同区の賃貸マンション2棟の約40室で家主不在型の民泊営業を計画しているという。
加えて、オーナーから管理受託している賃貸マンションや一戸建て住宅での民泊展開も支援していく方針だ。

京都市は、家主不在型の民泊に関して周辺住民や宿泊客の安心安全に神経をとがらせ、苦情があった時や緊急時に現地対応する管理者を10分以内で駆け付けられる場所に配置するよう独自ルールで義務づけた。

国の管理事業者に登録予定のエリッツは、この駆け付け要件を満たすため、展開する民泊物件に近い自社店舗にスタッフを配置する予定。担当者は「市内30店舗のネットワークを生かして、空き室の解消や有効な資産活用を後押したい」と意気込む。

京都市内で営業する民泊は、旅館業法に基づく簡易宿所に比べ、施設整備のコストが軽くなく、手続きの手間もかかる。不動産業界には「ビジネスとして成り立ちにくい民泊を諦め、365日営業できる簡易宿所に方向転換する人が増えるのではないか」との見方も出ている。