日本経済のカギを握るのは、外国の資産30億円「超富裕層」たち!

日本経済のカギを握るのは、外国の資産30億円「超富裕層」たち!?
(Newsweek  2018年07月02日)
https://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2018/07/216167.php


純資産、3000万ドル(約33億円)以上を所有する「超富裕層」は、2016年20万人ほどで、世界人口の約0.003%に過ぎないが、資産は世界全体のGDPの3割近くに達する。
訪日観光に超富裕層を惹きつけるには「彼らにとって、ゆっくりとプライベートな時間が過ごせる滞在型施設と移動手段」が欠かせないという。
プライベートジェットで旅行し、最高級のホテルで宿泊し、特別なサービスを求める超富裕層。
彼らの満足いくハードやソフトを整えるのにはもう少し時間がかかるのかもしれない。


【ポイント】
日本にいま必要なのは、ただ訪日観光客を増やすことでも、日本人の高所得者を増やすことでもない。世界人口の1%未満に過ぎない「超富裕層」の取り込みこそが必要だ。だが、今のままでは彼らは日本にやって来ない。

『世界から大富豪が訪れる国へ 日本の極みプロジェクト』 (秋元司・著、CCCメディアハウス)によれば、観光が日本経済の動力となり、持続的な経済成長へとつながっていくために必要不可欠なのは、「超富裕層」の取り込みだ。
この本は、国土交通副大臣を務める衆議院議員の秋元司氏を代表に、国土交通省の若手官僚たちが集まった「KIWAMIプロジェクト研究会」が取りまとめた内容がベースになっている。
「KIWAMI」には、あらゆるものの「極み」を尽くした場を作るという意味のほかに、世界の人々が日本に「来て(KI)」「ワクワクして(WA)」「満たされる(MI)」ことを目指す、という。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4484182165/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4484182165&linkCode=as2&tag=newsweekjapan-22&linkId=233dc43d4c8edd1fc1e1f21920243336

純資産、3000万ドル(約33億円)以上を所有する「超富裕層」は、2016年のデータでは20万人ほどで、世界人口の約0.003%に過ぎないが、資産は世界全体のGDPの3割近くに達する。
訪日観光に超富裕層を惹きつけなければならないが、超富裕層を惹きつけるには「彼らにとって、ゆっくりとプライベートな時間が過ごせる滞在型施設と移動手段」が欠かせない。
 
そう聞くと、日本にだって高級ホテルや高級旅館はいくつもあり、飛行機も新幹線も全国を網羅しているじゃないか、と反論する人もいるが、重要なのは「彼らにとって」という部分。それがよく分かるのが、超富裕層向けラグジュアリー・レジデンスの値段だ。

2016年に開業した「フォーシーズンズホテル京都」のレジデンスでは、1住戸の値段が推定で4.8億〜13.8億円。
2016年に売り出された「プラウド六本木」では最高価格が14億円を超えた。
今年完成した「パークコート青山ザ・タワー」の最高価格は15億円だ。

世界のレベルは、シンガポールには約55億円、香港には約92億円のレジデンスがある。
ニューヨークの「One 57」は約120億円、モナコの最高級レジデンス「Tour Odéon」」は約470億円だそうだ。

プライベートジェットの保有機数は、アメリカが1万3133機(うち民間以外は367機)、イギリス589機(同10)、ドイツ410機(同6)、フランス176機(同34)、中国が245機(同5)、インドが157機(同12)だ。
日本における保有機数は85機。そのうち58機が政府専用機などで、民間所有は27機に留まっている。

日本には、超富裕層が好んで所有する大型ヨット専用の係留施設が少なく、タクシーも高級車がほとんどない。

超富裕層にとって、日本の「おもてなし」は必ずしも彼らには喜ばれない。
日本の「おもてなし」とは、細やかな気遣いや心配りといった形で表されることが多いが、それらは無償で提供されるこその美点だとも言える。
だが、超富裕層に対して「無償」が魅力にならないことは明らかだ。それよりも、特別扱いを適正な対価で提供することのほうが求められる。

世界的なホテルチェーンの「ザ・リッツ・カールトン」は、従業員が自らの判断でサービスを提供することが認められている。そのために、1日2000ドル(約22万円)までなら、上司の判断を仰がずに使うことができる。
超富裕層は特別扱いに慣れている。だから、どんなに質が高くても、定型的・画一的なサービスでは彼らを惹きつけることはできない。ひとりひとりの個別のオーダーに臨機応変に応えられるようなサービスでなければならない。