訪日客の人気が地価を左右する 訳あり地方ホテルが完売!

地方のホテル「3大訳あり物件」を完売させた訪日客需要の威力

(ダイヤモンドオンライン 2018.7.23)
https://diamond.jp/articles/-/175373
訪日客で人気する地域の地価が高騰しているそうだ。
けん引役は、首都圏や関西、愛知といった大都市圏がほとんどで、地方の地価は下落している。
そのような中、宿泊・観光業界で“訳あり”として有名だったホテルが、外国資本によって買われたという。
熱海の「つるやホテル跡地」、滋賀県大津市の「ロイヤルオークホテルスパ&ガーデンズ」、新潟県妙高市の「ロッテアライリゾート」などだ。
人口減少に伴い過疎化が加速する中、当面、訪日客の人気が地価を左右する時代が続くという。
【ポイント】
7月、2018年(1月1日時点)の路線価が公表された。全国平均は前年比0.7%増と3年連続で上昇。
平均路線価が上昇した都道府県は、前年の13から18に増えた。
けん引役は、大規模再開発が続く首都圏や関西、愛知といった大都市圏。一方で、地方では北陸3県や四国4県が下落するなど、相変わらず苦戦を強いられている所も多い。

「訪日外国人客を呼び込める場所か否かが、地方の優勝劣敗を大きく左右している」
地方でもインバウンド需要を当て込める場所では、地価が上昇傾向にある。「同じ県内であっても場所によって大きな格差が生じている」
宿泊・観光業界で“訳あり”として有名だったホテルが、外国資本によって買われた。
「お宮の松」前という静岡県熱海市の一等地にありながら、巨大廃虚として有名だった「つるやホテル跡地」だ。
約6200平方メートルの敷地に地上10階建ての大型ビルが、バリケードで囲まれたまま10年間放置されてきた。
ところが、今年3月末、中国系投資会社の出資によりホテルに造り替えることが判明した。
総工費100億円ともいわれるこのホテルは、全室スイートルームで、熱海初の五つ星リゾートを目指すという。
最高級路線に狙いを定めた理由は、熱海が東京から1時間強で行けるお手軽な観光地として中国人をはじめとする訪日客の人気を集め、かつてのにぎわいを取り戻しつつあるからだ。
路線価を見ても静岡県の平均は前年比0.7%減と苦しむ中、熱海市は市内の最高路線価の熱海駅前平和通りで同7.8%の上昇となった。
「ホテルの建設で中心部の地価はさらに上がるはず」と、地元不動産関係者は早くも皮算用を始める。

訳あり物件の“西の横綱”、滋賀県大津市の琵琶湖湖畔にある「ロイヤルオークホテルスパ&ガーデンズ」だ。
美しい庭園やチャペル、七つのレストランを持つ有名ホテルだったが、外国人客の集客ノウハウは乏しかったもよう。
今年1月、シンガポール系ファンドに売却した。売却額は非公開だが、業界関係者によると数十億円は下らないという。
滋賀県の平均路線価は前年比0.2%増、県内最高路線価は大津駅前通りで同1.9%増となる中、ロイヤルオークホテルスパ&ガーデンズの最寄り駅となる瀬田駅前は、同7.6%増とひときわ上昇した。
大津駅周辺よりも、ホテルや商業施設が多い(同じ東海道本線の)瀬田駅や膳所駅周辺の路線価上昇が目立つ。
瀬田駅は、訪日外国人客最大の観光地、京都まで電車で20分ほどの好立地。
ホテル不足にあえぐ京都市内よりも安価で広い客室に宿泊でき、さらに琵琶湖リゾートも楽しめる利点が、海外ファンドのお眼鏡にかなったとみられている。

訳あり物件は、昨年末に再生を果たした新潟県妙高市の「ロッテアライリゾート」だ。
ソニー創業一族の資産管理会社と自治体の第三セクターが、約500億円をつぎ込み開発した大型スキーリゾートで、1993年に開業。06年に11億円以上の負債を抱えて破綻した。
10年近く放置された後に公売により18億円で落札したのが、インバウンド客を当て込む韓国ロッテホテル。
大型改装を行い、パウダースノーの広大なゲレンデに天然温泉大浴場、ヨーロピアンスタイルのおしゃれな客室棟が特徴で、訪日外国人客向けのメディアにも早速取り上げられている。
新潟県の平均路線価は前年比1.2%下落しているが、最寄り新幹線駅、上越妙高駅前は、ロッテ同様、インバウンド需要を狙ったホテル建設が相次ぎ、同5.2%増と「上越市内で数少ない上昇地点の一つ」となった。

人口減少に伴い過疎化が加速する中、訪日外国人客の人気が地価を左右する時代が続きそうだ。