インバウンドの東京都の訪問先1位は”新宿・歌舞伎町” 理由はナイトライフの充実!

インバウンドの”聖地”新宿・歌舞伎町の処方箋

(日経ビジネスオンライン 2018年8月10日)
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080800602/
東京を訪れた外国人旅行者は2017年に1377万人。これは訪日客の48%に達する。
外国人の東京都内訪問先は1位「新宿・大久保」56.9%、2位「浅草」(48.2%)、3位「銀座」(48.1%)だ。
歌舞伎町に外国人が集まる理由は、「ナイトライフが充実しているため、宿泊場所に選ぶケース」という。
「喧騒と猥雑な雰囲気に、好奇心を抱いて集まる」という雰囲気は大阪ミナミと似た現象だ。
【ポイント】
17年に東京を訪れた外国人旅行者は1377万人。これは訪日客(17年、2869万人)の48%に達する。
米監査大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の、世界主要30都市の「世界の都市力比較」ランキングの16年調査によると、1位ロンドン、2位シンガポール、15位東京だった。
「東京には、面白いスポットやユニークなカルチャーが山ほどあるのに、そうした街が持つ“熱量”が世界に伝わっていない」と指摘する。東京五輪は、東京のイメージを世界に発信するまたとないチャンスだ。
藤田観光が15年に新宿・歌舞伎町に開業した「ホテルグレイスリー新宿」は、巨大なゴジラのオブジェが目を引き、“ゴジラホテル”の愛称で海外でも知られる。
970室、開業当初70%だった客室稼働率は年々上昇し、現在は85%を超える。
8階のロビーフロアの広々としたテラスには、巨大なゴジラの頭像が設置されている。頭頂部の高さは、初代ゴジラの設定とほぼ同じ地上52m。JR新宿駅東口から数分歩くと視界に飛び込んでくる。
東京都の、羽田空港と成田空港の国際線ターミナルでの外国人アンケート調査によると、都内訪問先の1位は「新宿・大久保」56.9%、2位「浅草」(48.2%)、3位「銀座」(48.1%)だった。

歌舞伎町に外国人が集まる理由は、「ナイトライフが充実しているため、宿泊場所に選ぶケース」(大手旅行会社関係者)が多いからだ。
宿泊日数で最も多かったのは4~6泊(36%)。限られた滞在日数で、時間を有効利用したい外国人旅行者にとって、夜の楽しみの選択肢が多い歌舞伎町は理想的だという。
「歌舞伎町ならではのアジア的な喧騒と猥雑な雰囲気に、好奇心を抱いて集まる外国人客も多い。変に“観光地化”されていないところも魅力」(地元飲食店オーナー)という。

宿泊客にホテル周辺施設を案内する小冊子「Like! KABUKICHO」、50ページ近くにわたって歌舞伎町のグルメスポットやアミューズメント施設が英語と日本語で紹介されている。
日本有数の飲み屋街「新宿ゴールデン街」の全店舗マップなどの他、特に目を引くのが、いわゆるキャバクラやホストクラブなどのリスト。歌舞伎町におよそ200ある店の中から、明朗会計で外国人も安心して利用できる店を厳選。日本独自の業態ともいわれるホストクラブの利用の仕方を8つのステップで解説するなど、読み物としても面白い。
宿泊客に「安心して利用できる店を紹介したい」と考えた藤田観光などの働きかけで、14年に周辺の3つのホテルが参加する「コンシェルジュ委員会」を立ち上げ、冊子を作製。実際に女性コンシェルジュが組合のメンバーと共に体当たりで店を訪ね歩き、「現地確認」をした上で掲載する店を選び抜いた。
定期的に勉強会を開いて歌舞伎町の新スポットなどの情報を交換し、宿泊客に「歌舞伎町の最新情報を提供できるように、レベルアップに努めている」

「街を訪れる外国人旅行者はここ数年で、何倍にも増えた。有志が集まってゴミ拾いのボランティア活動をしたり、自治体や警察とも連携して、歌舞伎町をクリーンな街にする活動を進めてきたことも大きい」と話す。
今では歌舞伎町は、多くのインバウンド旅行者が足を運ぶ「聖地」になりつつある。