「ナイトタイムエコノミー」の本質と 「コト消費」のの視点!

「ナイトタイムエコノミー」はインバウンド消費拡大に貢献するか? その本質とコト消費するための視点を整理した【山田雄一解説コラム】
(トラベルボイス 2018年8月15日)
https://www.travelvoice.jp/20180815-114289


「インバウンドがナイトライフを楽しむコンテンツが不足している」といわれて久しい。
確かにナイトライフを楽しめるコンテンツが増えれば良いと思ってきたが、どうもそうではないようだ。
「コト消費」も、販売店が増えれば良いのではなく、人々が集い、時間を過ごしたくなるような空間ができて、初めて人々が楽しめるものになる。
「ナイトライフ」も、日本人自身が楽しめる空間になっていないから、インバウンドも楽しめないということだ。
「コト消費」が伸びないのも、同じ構造だ。


【ポイント】
「爆買い」と言われた頃、「中国人はモノにしか興味がない」と言われていたが、タイやハワイなどの観光消費統計では、東アジアの人も普通にサービスに一定額を消費していた。
海外では、中心市街地に人が集まるようになったのに、日本は大都市の一部を除き、そうした動きが出ていない。コト消費を促すには、単に個店を整備すれば良いのではなく、人々が集い、時間を過ごしたくなるような空間が必要。
昨年くらいにでてきた「ナイトタイムエコノミー」議論については困惑している。
それは、「コト消費を上げるために、夜のコンテンツを観光客向けに作ろう」という話になっているからです。
「夜の楽しみがない」というのは、京都市であっても指摘されていた問題の一つです。
ナイトタイムエコノミーという言葉は、90年代にイギリスで論じられた。
イブニングエコノミーとも呼ばれるこの概念は、アルコールの提供ライセンスや治安などとも関係を有しているが、背景は都市化の進展がある。
世界的な規模で中心市街地が安全で快適になれば、人々が「街中」に集まり、その賑わいが夜中まで拡がり、それを経済として捉えようという動きになる。

オーストラリアのシドニーのナイトタイムエコノミーの調査で、「夜の来訪者」の多くは30代以下であり、ほとんどが地元住民だった。この傾向は、どこの地域でもそう大きく変わらない。
「なぜ、日本では訪日客が期待するようなナイトライフがないのか」という問に対する答えは「夜中でも集いたくなるような空間(サービス集積地)が乏しく、日本人自身がナイトライフを楽しんでいないから」ということになる。
訪日客のコト消費が伸びないのは、日本人自身が、そうしたサービス消費をおこなっていないということに尽きる。

マリオの衣装を着てカートで街中走行する事業がある。
訪日客には人気ですが、日本人からの受けは悪い。これは道路交通法の隙間を抜けた事業であることや、交通の邪魔になっているだけでなく、街中で「楽しむ」こと自体を、タブー視している人たちが多いことに起因する。
アフターファイブの時間の使い方について、日本人自身が拡げていくことができなければ、訪日客にナイトライフを通じたコト消費を拡大させていくことには繋がらない。
昼間は賑わっていても夜間は閑散としているというエリアにおいて、例えば、19時まで、20時まで、21時まで賑わいを継続させるにはどういう取り組みが考えられるか? という視点で検討していけば、結果に繋がるように思う。