運営権獲得へ海外カジノ事業社が猛攻「大阪夏の陣」!

運営権獲得へ海外カジノ事業社が猛攻「大阪夏の陣」
(NEWSWEEK  2018年8月22日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10826.php
カジノを含む統合型リゾート(IR)の実施法が成立して、国外のIR事業者が大阪への誘致に力を入れ、8つの大手カジノ運営業者が大阪府と接触しているようだ。
モルガン・スタンレーの試算によると、大阪でのカジノ運営により年間約40億ドルの売り上げだという。
大阪府の松井知事は、「国が観光立国の目標を掲げるなか、大阪が観光客誘致のトップエリアになりたい。観光産業をしっかりと大阪の産業の柱の1つに育てていきたい」と述べている。

【ポイント】

大阪でカジノ運営を目指す外国企業は、MGMリゾーツ・インターナショナル、メルコ・リゾーツ&エンターテインメント、ギャラクシー・エンターテインメント、シーザーズ・エンターテインメント、ゲンティン・シンガポール、ラスベガス・サンズなど、8つの大手カジノ運営業者が大阪府と接触している。

モルガン・スタンレーの試算によると、大阪で運営すれば、年間約40億ドルの売り上げを生み出すという。

大阪は、2024年までにIRをオープンさせたいとしている。
松井大阪府知事は、ロイターのインタビューで「国が観光立国の目標を掲げるなか、大阪が観光客誘致のトップエリアになりたい。観光産業をしっかりと大阪の産業の柱の1つに育てていきたい」と述べた。

大阪府はカジノ事業者選定に関わる不透明さ、不正を排除するため、カジノ事業者との接触には厳格なルールを定めている。「IR推進局における事業者対応等指針」では、「事業者提案や面会は、原則として庁舎内において2名以上で対応する」「事業者との会食・パーティー、事業者から宣伝用のカレンダーや文房具などの事務用品を受け取ることが禁じられている」

大阪への外国人旅行者は、2017年には過去最多の1100万人の外国人客が大阪を訪れた。
「食い倒れ」で知られる食べ物の魅力と近隣の観光地へのアクセスのよさが観光客を引き付け、カジノ事業者の期待も高まる。

2012年から2018年5月までに、11のカジノ企業の幹部が「表敬訪問」として松井府知事と面会した。
2017年5月以降、IR関連企業の関係者は、職員と119回会っている。
メルコによる直近の大阪府への寄付は5000万円。また6月の大阪府北部地震と、7月の水害被害にも寄付を行っている。MGMは、天神祭の前に船上パーティーの招待券を、地元商店街のくじ引きの景品に提供した。

IR事業への参画を目指す中小企業の組織、「IR推進100社会」の堀感治事務局長は、MGMは着実に大阪企業との関係を築いていると指摘する。
NHKが3月に行った世論調査によると、大阪府民の42%が、ギャンブル依存症への懸念などからカジノに反対、賛成は20%に満たない。

大阪府では、住民の支持を得ようと、依存症に関するセミナーを行ったり、経済効果を宣伝している。
府と市の共同内部組織であるIR推進局によると、IR設置で、年間約8万人の雇用が生まれるという。
カジノ反対運動をしている阪南大学の桜田照雄教授(経済学)は、IRの雇用は、ほとんどが非正規で賃金も低いと指摘する。「彼らは、観光産業と外国人の需要で地元経済を活性化させようとしているが、これは持続可能なモデルではない」と述べる。

カジノ事業者による大阪府への積極的な働きかけに対し、不当行為に関する目立った告発はない。
松井知事は、今後の事業者選定のプロセスについて「IR事業に対してフルオープンで、住民のみなさんに不公平や何かそこに疑いを持たれないようにしていくのは当然」とし、「大きなおカネが動くビッグビジネスになるのは、もう間違いないわけですから」と述べた。