外国人が飛びつく「日本モノ」は何が違うのか トーキョー・オタク・モード流の売り方!

外国人が飛びつく「日本モノ」は何が違うのか 〜トーキョー・オタク・モード流の売り方〜
(東洋経済オンライン 2018/08/23)
https://toyokeizai.net/articles/-/234519


2016年度末までに、クールジャパン機構が投融資した17件310億円のうち、44億円が損失だと会計監査院が指摘した。
ポップカルチャー販売を手掛ける「トーキョー・オタク・モード」によると、「ジャパンエキスポ」など、海外におけるポップカルチャーイベントも好調で、動画配信サービスも軌道に乗り始めたところだという。
日本のコンテンツ産業の海外市場規模は2016年時点で約64兆円。2022年には約81兆円になると予想する。
文化の輸出は成果が出るまでに時間がかかる。それを数年で評価するのは本末転倒。市場が拡大している現在は、投資スタンスを崩すべきではないという。


【ポイント】
2016年度末までにクールジャパン機構が投融資した17件総額約310億円において、約44億円の損失が生じていると会計監査院は今年4月に発表した。
クールジャパンの中身は、映画やアニメといったポップカルチャーから、茶道や日本料理などの伝統文化、建築やファッションといったハイカルチャーまでと幅広い。

海外向けに日本のアニメ・マンガを中心としたポップカルチャー販売を手掛けるTokyo Otaku Mode(トーキョー・オタク・モード)は、日本のアニメや漫画、ゲームに関する情報を翻訳し、海外に発信してきた。
2018年8月現在、フェイスブックページのファン数は2000万人以上。その99%が海外ファンによる。ツイッターのフォロワーも8万8000人を超える。
フォロワーがアクティブなのも特徴。1つの投稿に対して数千に上るコメントが寄せられるという。
日本ではよく見ないとグッズだと気づかない商品が人気だが、海外ではストレートな商品が好まれるという。

トーキョー・オタク・モードは、クールジャパン機構から得た資金を物流システムの強化に充てた。
国内に1拠点、北米に1拠点、自社開発オペレーションシステムで稼働する倉庫を設置。発送する国に合わせた梱包を行い、1日400点以上の商品を輸送している。

日本アニメーション振興会が毎年7月にロサンゼルスで開くコンベンション「アニメ・エキスポ」の来場者数は右肩上がりで、今年は4日間で15万人を記録した。
来場者の熱量は高く、日本のコミケよりもコスプレを楽しむ人が多いという。
パリを舞台の「ジャパンエキスポ」もポップカルチャーを中心に日本文化を紹介するイベントだが、来場者は20万人を超える。

動画配信サービスのネットフリックスは今年、日本のアニメプロダクション2社と提携、作品を共同制作し、全世界に配信する予定だ。
日本のアニメやマンガなどを配信するアメリカのクランチロールも無料会員2000万人、有料会員100万人と快進撃を見せている。
一昔前、海外には海賊版があふれたが、それが日本アニメのプロモーションにつながっていた面もある。
経済産業省は、10年程前から海賊版対策を強化しており、海賊版が減るとともに、正規配信が増えている。
正規配信されることで日本の制作会社にロイヤリティが入り、ファンは関連商品を購入するという。

人気アニメ「機動戦士ガンダム」やライトノベルの「All You Need Is Kill」など、日本の作品がハリウッド映画の原作となるケースも。アメリカ企業は日本のコンテンツ産業に興味を示している状態と言える。
「北米はこれと思った作品に百億円かけるような一点集中投資型。一方、日本は分散投資・多品種生産型で、1年に250もの作品が登場。アクション、スポコン、萌え、日常系、ファンタジーとバラエティに富んでいる。

『日本のアニメは自分たちのような強くない人たちのことをきちんと描いてくれた、だから日本のアニメやマンガが好きになった』
日本ポップカルチャーは海外においていまだマイナーで、市場もニッチ。
しかし、面白い作品はSNSで話題となり、その作品を好むファンの元へと届く。
ニッチな市場が世界中にあるため、ビジネスとして成り立つのだ。

日本のコンテンツ産業の海外市場規模は2016年時点で約64兆円。今後アジアを中心に市場が拡大し、2022年には約81兆円になると予想されている。
「クールジャパンという括りの中でも、ポップカルチャーに限って見れば順調だ」というのがトーキョー・オタク・モードの見解だ。

文化の輸出や普及は成果が出るまでに時間がかかる。それなのに数年で評価するのは本末転倒ではないか。
市場が拡大している現在は、投資スタンスを崩すべきではないと思う。
政府は、やみくもに「ジャパンぽいもの」に投資をするのではなく、しっかりとしたマーケティングを行っている会社を見極めなければならない。同時に、「赤字=失敗」と単純に切り捨てるのではなく、何をもって投資回収したと考えるか、そのゴールをしっかり定めるべきだろう。