台風21号の浸水で関空の機能低下、好調な「訪日消費」に与える影響が大きい!

天災相次ぐ大阪、好調「訪日消費」に影響は?

(東洋経済オンライン 2018/09/07)
https://toyokeizai.net/articles/-/236726
台風21号の被害が大きい。
関空が第2ターミナルしか稼働していないのが心配だ。JALは臨時的措置としているが成田に一部の便を移し、関空の山谷社長は、神戸空港や伊丹空港に移したいと表明した。
関空の第1ターミナルでは、地下にある6つある電気室が浸水して3つが稼働していないという。
福島の原子力発電所でも地下にあった非常発電機が浸水して、メルトダウンを止められなかった。また多くの自家発電など電気設備は地下に設置されている。
南海トラフ沖地震が30年以内に80%の確率で発生し、津波が想定されるなか、停電対策を最優先課題にする必要がある。
【ポイント】
9月4日、関空を台風21号の高潮が襲い、第1ターミナル側のA滑走路と駐機場ほぼ全域が冠水。最大40~50センチメートルの深さまで水につかった。
関空の瞬間最大風速は58.1メートル。14時過ぎに連絡橋にタンカーが衝突し橋脚を損傷。さらに道路のパネルが鉄道の線路に覆い被さる事態となった。
交通が遮断されたため、旅客やテナントの従業員など合わせて約8000人が空港内に取り残された。
6月18日に起きた最大震度6弱の大阪北部地震、西日本で死者100人を超えた7月上旬の「平成30年7月集中豪雨」、9月に入ってからは台風21号。そして9月6日には北海道胆振地方で震度7の地震も起きた。

大阪や北海道はインバウンドの人気エリアだ。訪日外国人旅行消費は2017年に4.4兆円に達した。2018年に入っても1~6月の累計では前年を上回って推移している。

関空は2017年度の国際線旅客は2190万人、そのうち外国人旅客は約1500万人で成田空港に匹敵する。
台風21号はこの関西の”玄関”を直撃した。
台風の影響で4日12時から空港全体が閉鎖された。4日から6日にかけ、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)、関空を拠点とするLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションなど関空を発着する便は、国内線、国際線共に全便欠航となった。

第1ターミナルビルでは、地下にある高圧受電設備6台のうち3台が冠水。ターミナル中央部で停電が発生し、館内放送も機能しなかったため、取り残された旅客の間で情報が錯綜し混乱も見られた。
5日未明からフェリーやバスで少しずつ陸への輸送が行われ、全員脱出は同日23時を回っていた。
被害の小さかった第2ターミナル・B滑走路では、9月7日に一部国内線が運航を再開する。
内訳はピーチが17便、JALが2便。同ターミナルの国内線運航会社はもともとピーチのみだ。
「エアラインとして運航が再開できる体制は5日中には整っていたが、空港側の体制が整っていなかった」

第1ターミナル・A滑走路での運航再開のメドは立っていない。
関空に定期便を乗り入れている航空会社は国内外合わせて59社(2018年夏期ダイヤ時点)。
第2ターミナルを利用するのはピーチと中国・春秋航空のみ。これら以外はすべてが第1ターミナルの発着だ。
2017年にインバウンドの26%が関空を経由して入国している。
閉鎖が長引けば、インバウンドに甚大な影響を及ぼしかねない。
リーガロイヤルホテル大阪は、「100室ぐらいがキャンセルになった」
近鉄百貨店は、4日にあべのハルカス本店を休業。台風が去った5日は通常通りに営業をした。外国人も普通におり、店頭の賑わいは、通常営業日と何ら変わらなかった。当店は関空だけでなく、中部国際空港を利用される外国人もいるので、緩和される部分はあるだろう。
阪急阪神百貨店は同じく4日は14店中、関東と九州を除く12店舗すべてを閉店。5日は通常通り営業したが「数字はまとまってみないとわからないが、特に変わった様子はない」という。
マツモトキヨシも、豪雨や地震のときは、一時的に客足が遠退いたが、想定していたより影響は大きくない。

中国のオンライン旅行会社シートリップは「そんなに影響はないのではないか。ほかの都市に行っている場合もあり、インバウンド全体としても減っているわけではない。大阪は第2の都市で、周辺には奈良や京都もある。訪日客からの人気はまだ根強い」と見る。
ただ、「来週以降のキャンセルはまだ出ていないが、北海道地震の影響もあり懸念している」
台湾の旅行会社は「短期的に旅行のキャンセルなど観光客数は減るだろうが、影響は長くても1~2カ月。インフラの問題が解決すれば、すぐに観光客数は戻る」という。

三菱総合研究所は、「西日本、北海道を含めた日本の災害は日本に興味のある若者中心に関心が高い。被災地にいる外国人観光客への情報提供も不足している状況だ」と指摘する。
日本人でも困惑するのに、言葉の不自由なインバウンドが的確な情報を得るのはさらに難しい。
日本は公式での観光客向け情報発信がまだ弱い。観光客に引き続き来てもらうためには、 外国語でツイッター、微博などのSNSを駆使してリアルタイムで発信していくことが必要。