グーグルのツアー・体験サイト「TouringBird」はうまく機能するのか?

グーグルのタビナカ体験予約はうまく機能するのか? 新サービスが抱える3つの課題を分析した【外電コラム】

(トラベルボイス 2018年10月2日)
https://www.travelvoice.jp/20181002-118621
グーグルのツアー&アクティビティ分野に「TouringBird」で、20都市、2万5000件の物件で本格参入した。
アクティビティの手数料は、現在、リテーラー20%、サプライヤー80%の配分になるだそうだ。

この二重構造を三重構造にしようとするグーグルの動きに疑問を投げかけるレポートになっている。

日本では長年、アクティビティの販売手数料は10%ほどだった。airbnbの体験が始まり20%の手数料が生まれてきている。ただairbnbの手数料20%には最大1億円の保険も含まれているという。
日本での本格的なアクティビティの提供は始まったばかりだ。顧客が支払う価格、提供者のコストと利益、仲介者の正当な利益と保険、これらをしっかりに見直さないとグローバルな観光には適さない。
【ポイント】
グーグルが「TouringBird」でツアー&アクティビティ分野に本格参入したことが、話題を呼んでいる。
20都市、2万5000件のアクティビティで始まった。
「TouringBird」は概念的にメタサーチである。ビアター、エクスペディアなど複数のオンライン旅行会社に予約を送っている。顧客に幅広い選択肢を提示するためにメタサーチのコンセプトを使っている。顧客はその中から1つを選択し、リテーラーのウェブサイトを通して直接リテーラーに予約を入れる。
【3つの疑問点】
1. 手数料の引き上げ
長年の間、販売手数料はシンプルな2層構造だった。リテーラーは20%、サプライヤーが80%を取る。
サプライヤーの技術サービスが途中で数%取っているかもしれない。
アトラクションの場合、限界コストは少ないのでもっと高めかもしれない。
消費者に最も近いリテーラーの「上」に大きなビジネス層が追加されれば、妥当なコミッションシェアが新たに必要になる。中間層となるリテーラーは、グーグルTouringBirdなどのメタサーチに15~20%の手数料を支払うため、サプライヤーからの手数料を30~35%に引き上げようとする流れになる。
引き上げられた手数料率は全てのリテーラー予約に適用されるだろう。
もし手数料引き上げが実現しなかった場合、最上層のビジネス(グーグルTouringBird)は、小規模アフィリエイトに適用される程度、5~10%の手数料率で行き詰まる。

2. カスタマーサービス
これまでツアー&アクティビティの販売タイミングは、ホテルやフライトの販売時か、現地販売によるものだった。前者は旅行の何週間も前に販売されてきた。この場合、予約に関する質問などは営業時間にメールで解決できる。回答が少々遅れても顧客にとって大きな問題にはならない。
現地販売はビジターセンター、販売店、ホテルのコンシェルジェなど対面式でおこなわれていた。担当者に直に接するので、何か問題があればその時その場で対処できた。
しかし今、開始2時間前のツアー予約、あるいは切符売り場の行列回避プランではツアー開始10分前など、「駆け込み」を前提とするモバイル予約をおこなうよう迫られている。
リテーラーがライブのカスタマーサポートに移行すること、そして実際に質問に答える十分な知識を持つことは、いまだ解決できていない。しかしリテーラーが駆け込みのモバイル予約を扱おうとするならば解決が必要だ。
サプライヤー>リテーラー>メタサーチという3層構造に対応できるようなライブサポート機能を行き渡らせる方法を考案することは可能だろう。そのためには業界をまたいだ議論が必要となってくるが、その機運はない。

3. パーソナライズの必要性
ツアー&アクティビティ流通におけるイノベーションの次の段階は、「パーソナライズされたプロダクト」だ。
予約時点で顧客に合わせて調整された体験プロダクトとマッチングさせること。
しかし、適切なパーソナライズをおこなうにはかなりの顧客プロフィール情報が必要になる。
現状でも一筋縄でいかないものが、業界間をまたいで広がり、著しく困難な展開になるだろう。

結論
グーグルが競争に加わることに強い関心を抱いている。グーグルが、メタサーチからサプライヤーの予約システムに直接つながるようシフトしていかなければならないと考えている。