京都・嵐山のオーバーツーリズムの現状 ゴミ問題や現地の温度差!

京都・嵐山地区のオーバーツーリズムの現状は? ゴミ問題から現地の温度差まで取材した
(トラベルボイス 2018年10月18日)
https://www.travelvoice.jp/20181018-118844


嵐山の観光客の6割から7割が外国人だという。
また嵐山にアクセスする市バスや嵐電も朝や夕方はラッシュアワー並になる。しかし夕方になると嵐山も人が少なくなり店舗も店じまいになる。問題は「竹林の落書き」と「ゴミの増加」。
外国人観光客の混雑とともに、日本人観光客が少なくなっているようだ。
外国人観光客の急増によって溢れ出る日本人観光客をどのように食い止めるのか。それも、オーバーツーリズムの課題のひとつだ。


【ポイント】
オーバーツーリズムを考える京都取材 嵐山保勝会会長の石川暢之介さんのインタビュー (第3回)
観光客が増えることで、現地に落ちるお金も増えるが、一方で人が増えればそれだけ問題も出てくる。
外国人が増えたのは10年ほど前から。6割から7割が外国人です。
昔は、梅雨の時期は一番静かですが、今はいつでも混んでる。なかでも春と秋はかなり混雑する。
その時期は、嵐山にアクセスする市バスや嵐電の混雑具合も時間帯によってはラッシュアワー並になる。
外国人観光客が増えたことで問題も出てきた。「竹林の小経」での竹林の落書きだ。
野宮神社から天龍寺の北側を通り、大河内山荘庭園まで約400mにわたる竹林の小経、昔から観光客が多く、落書きも散見されていたが、問題が深刻になったのは、竹に触れられる近さで散策路を整備し、そこに人力車が通れるようになってから。
人力車の車夫に観光客への注意喚起を促し、多言語での注意書き看板を立てるなどの対策を進めている。
観光業者は人力車コースに理解を示すが、地元住民からは「なんとかならないか」との声も上がる。
住宅地の道幅は狭いため、土日は車の出入りが大変で、わざわざ混雑を避けて夕方に帰宅する住民もいる。
観光客が増えれば、ゴミも増える。
日本は排出者責任という観点や不審物対策の一貫から公共の場でのゴミ箱は少ない。
数少ないゴミ箱も、すぐに溢れてしまい、そこにさらにゴミが捨てられることからゴミが山積みされる結果になる。
嵐山はスタンド型の飲食店も多く、食べ歩きがひとつの楽しみになっているため、ゴミも一緒に動く。
「ゴミ袋に広告を入れて、それを観光客に配って、自分のゴミを持ち帰ってもらおう、という案はありましたけど、実現しませんでした」。誰もゴミ袋を持ち歩きながら、観光はしたくない。
京都市民1人1日あたりの家庭ゴミの量は402グラムで、他の政令指定都市平均の4分の3。全体の生活ゴミの量も2000年の82万トンから2017年には41万トンに半減した。地域ぐるみの取り組みやエコ活動によって市民生活のゴミは減少しているが、年間5000万人の観光客のゴミも京都市で処理しなければならない。
ゴミ箱を設置できないなら、回収頻度を上げてもらえないものかと行政に要望する。

混雑がクローズアップされる嵐山だが、夕方は人も少なく静か。
観光客が引いてしまう夕方になるとメインストリートのお店も早々と店じまい。すると、ますます夕方に観光客は来なくなる。嵐山から少し奥に入った奥嵯峨は、昼間でも観光客はまばらだ。
「昼間は奥嵯峨に行ってもらい、夕方に嵐山界隈を散策してもらう流れをつくることができれば」(産業観光局の福原部長)と京都市では観光客の、特に訪日外国人の分散化を進めていきたい考えだ。
現状について、観光業者、地元住民、寺社などの間で認識のギャップはあると明かす。

日本人の観光客が減っている。「外国人ばかりで京都らしさがなくなった」という声もよく聞くという。
外国人にも来てもらいたいですけど、それだけでいいとは全く思っていない。相手国の事情や日本での災害などで外国人はピタッと来なくなることだってありうる。そのときの問題意識は持っている。
外国人観光客の急増によって溢れ出る日本人観光客をどのように食い止めるのか。それも、オーバーツーリズムの課題のひとつだ。

『京都市の深掘り取材』、第4回は京都市交通局。京都観光で需要な足となる市バスでも、訪日外国人の増加でさまざまな問題が出てきた。その対策について聞いてみた。