富裕層旅行の消費トレンドから誘致活動に必要なこと 市場拡大への課題と可能性!

富裕層旅行の消費トレンドから誘致活動に必要なことは? 有識者が議論した市場拡大への課題と可能性

(トラベルボイス 2018年10月22日)
https://www.travelvoice.jp/20181022-118693
米・英・仏・独・豪5カ国の富裕旅行の市場規模は6兆円だが、日本は830億円に過ぎないという。
訪日旅行では富裕層について「100万円消費」とJNTOは定義づけしたようだ。
外国人が訪日旅行で不安を感じるのは「言語」「交通」「食」。
ホテルでは英語が通じるが、地方に出た時に英語が通じるか不安に思っている人が多く、鉄道では改札を出たあとの難易度が高く、時間貸しタクシーの手配に苦労するという。
【ポイント】
「ラグジュアリー・トラベルの訪日促進に向けて」をテーマに、JNTO柏木隆久理事の基調講演。
富裕層旅行市場について「単に大勢来ていてもらうのではなく、楽しんで、消費してもらい、観光産業を基幹産業にしていくのが目標」とし、「富裕旅行は、より付加価値の高いものを用意して消費額を押し上げる以外に、新しい価値観やデスティネーションの新たな魅力を生む。富裕層はトレンドセッターの役割もある」と説明。
日本では「着地で100万円消費」を富裕層と定義づけした。
米・英・仏・独・豪5カ国の富裕旅行の市場規模は6兆円にのぼるが、日本で消費されているのは830億円。
人数・消費額とも、同じアジアのタイの方が多いことから、今後タイをベンチマークとしていくといい、富裕層の傾向を志向(マインドセット)と消費性向から分析。
50〜60代を中心とした従来型の高い快適性などを求める「クラシックラグジュアリー」と、20〜30代のミレニアルズが中心になって一生に一度の体験や本物体験を重視する「モダンラグジュアリー」、すべての費目で高額消費をおこなう「オールラグジュアリー」、優先度の高い事項に重点的に投資する「セレクティブラグジュアリー」があることに着目し、新しいラグジュアリー層も取り込むべく、プロモーション活動していく。
米国ラグジュアリー旅行専門の最大ネットワーク組織体「Virtuoso(バーチュオーソ)」の日本唯一の会員であるクリル・ブリヴェ高野CEO
4パターンのラグジュアリー旅行のタイプは、国が同じでもお客様によって全く異なる。たとえば、アラブ人はクラシックのオールラグジュアリーが多いが、欧米でMBAを取っている人はセレクティブ。欧州は、かなりコストがかかっても、お寺の貸切など本物を体験することにはお金を惜しまない一方で、誰でも体験できるものに対しては非常にシビアと話した。
徹底したヒアリングで相手を知ることと、彼らの需要に応えるために絶えず情報収集を行い、急なお願いでも電話一本で受け入れてくれる地域のプレイヤーやキーマンと強いネットワークを構築することが必要だとした。
世界最高峰のコンシェルジュ組織「レ・クレドール」の正式会員であるグランドハイアット東京チーフコンシェルジュの今泉氏
外国人旅行者が日本で不安を感じるのは「言語」「交通」「食」であることに言及。
特定のホテルや施設では英語が通じるが、地方に出た時に日本語以外の言葉がどれくらい通じるか不安に思っている人が多い。
地方はハイヤーがないため、改札を降りたあとの難易度が高く、時間貸しできるタクシーの手配にも苦労する。
食材の要望が高くなっており、「アレルギーや宗教上の問題で、何が食べられないベジタリアンなのか、ビーガンなのか、グルテンフリーでどこまで食事ができるか」が問われる。
ホテルでおもてなしをして、よいサービスをするのは当然のこと。日本ファンになった方は、家族や友人に写真を見せて、楽しかった旅の思い出を語る。クチコミで来日する人が多いので、満足度を上げることが重要。
せとうち観光推進機構の村木氏
「東京オリンピックに向けて日本の認知が飛躍的に高まっており、新しいルートを開拓しなくても日本が売れる状況になっている。しかし、東京~大阪間のいわゆるゴールデンルート以外で何かないかと探しているのが富裕層。地方こそラグジュアリーマーケットの可能性がある」とチャンスを示唆した。
「富裕層の趣味嗜好、関心事を探ることはもちろんのこと、その人たちが魅力的なものを何で知り、何を理由に旅先として決めるのか、その行動を決める要因が何なのか探ることが大事。消費者がどういうルートをたどって最終的に旅先を訪れるのか」と、導線の必要性を訴えた。
お客様の満足度を上げるためには、点をしっかりつくって、それを面にしていかなければならない。そのために誕生したのが全国のDMOだが、優れた魅力的な商品ができていくためにも、民間企業の巻き込みが必要。