京都の簡易宿所が過当競争で外国人争奪戦 民泊より規制緩く急拡大!

京都の簡易宿所、外国人争奪戦に 民泊より規制緩く急拡大
(京都新聞 2018年10月25日)
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181025000078
京都市内の簡易宿所が、8月末時点で2627棟となり5年前の7倍近く急増したというが、早くも過当競争に入ったようだ。時期や場所によっては1泊2千円前後の宿も登場した。
住民にとっては、得体の知れない外国人が増える状況に不安を持ち、転居する方も増えているという。
適正な住環境と観光振興の両面から判断を求められる、京都市は難しい判断を求められそうだ。
【ポイント】
京都市下京区の鴨川近い一帯は、民家を改装したゲストハウスなどの簡易宿所が急増した。
簡易宿所は、旅館業法に基づく営業許可を受けた施設。
京都観光の好調を受け、市内ではここ数年で爆発的に増えた。8月末時点で2627棟となり、5年前の7倍近くに達した。ホテルや旅館に比べて客室の数や面積の基準が緩い。その上「民泊新法」の営業日数が年180日以内に制限された民泊と違い、1年中営業できる利点が注目され、開設の動きが加速した。

特に目立つのが京町家を改修した一棟貸しだ。和の文化体験を求める外国人観光客に人気だ。
京都市は2012年、一定条件を満たす京町家を対象に玄関帳場(フロント)の設置免除などを盛り込んだ独自ルールを設けた。この結果、5年前に十数棟だった京町家の簡易宿所は今年9月末で597棟に拡大した。
だが、京都市の想像を超える開業ラッシュが過当競争を招いた。時期や場所によっては1泊2千円前後の宿も登場し、外国人旅行者らの争奪戦が過熱する。
東山区の寺社や景勝地に近い簡易宿所では、12月分の予約は昨年の半分にとどまるという。
需要に対して宿泊施設数は増えすぎた。今後は立地や運営戦略がよくない施設の廃業が増えるだろうとみる。

今年5月の市議会で旅館業適正化条例が改正され、民泊の半径800m以内に管理者を置く「駆け付け要件」が簡易宿所にも適用されることが決まった。フロントの施設外設置を認める物件にも一定の制限がかかった。
京都市は「家主不在型の民泊と基準をそろえ、適正化を促す」と意義を説く。
京町家の簡易宿所を中心に宿泊施設50棟を管理運営するトマルバは、月間の平均稼働率は78%で、利用者は千人を超えるが、駆け付け要件を満たすには人件費などで月100万円近くコストが増える。
京都簡易宿所・民泊協会は9月、「簡易宿所の利点が奪われる」として市に条例改正の見直しを求める意見書を出した。
ホテルより安く、民泊より規制が緩い宿泊施設として急拡大した京都の簡易宿所だが、競争激化と規制強化に直面し、早くも岐路に差し掛かっている。