オランダのアムステルダム市 オーバーツーリズム規制を始めても観光客は増加!

観光客は迷惑? オランダで制限始めたら、逆に増えて…
(朝日新聞デジタル 10月30日)
https://digital.asahi.com/articles/ASL9F6JRQL9FUHBI03Z.html
アムステルダム市のオーバーツーリズムも深刻なようだ。
16年、市の人口の8倍超の700万人を突破し、17年は826万人で、前年を約100万人上回った。
14年から、観光客を抑制する方向に大転換し、中心部のホテル新規建設、レンタル自転車店やツアーのチケット店などの新店舗を原則禁止したが、観光客の増加は止まらないという。
オーバーツーリズムが顕著になってから対策を立てるのは難しいのかもしれない。
【ポイント】
オランダのアムステルダム市は観光客の抑制にかじを切った。
酒に酔って朝方まで外で叫ぶ外国人。路上に捨てられるゴミ。民家への破壊行為。観光シーズンの春から夏にかけて一層ひどくなり、夜は不眠がちになる。「来る人は歓迎したいが、迷惑行為は歓迎できない」という。
運河を巡りながら大麻を吸う『スモークツアー』や酒が飲み放題のボートも出てきた。

アムステルダム市や観光業界が連携して「I amsterdam」キャンペーンを2004年に打ち出した。
運河地区が10年に世界遺産に指定され、空港の拡張。中国など新興大国の中間層が増えたこともあり、08年に452万人だった観光客は16年、市の人口の8倍超の700万人を突破した。
アムステルダムは東京都の10分の1ほど。ゴッホ美術館やアンネ・フランクの家など見どころが集中する中心部が観光客でごった返す事態になった。
一部の観光客のマナーの悪さと市民生活への影響を問題視し、14年、観光客を抑制する方向に大転換した。
誘致キャンペーンをやめ、中心部のホテル新規建設、レンタル自転車店やツアーのチケット店など、観光客向けの店を新たに開くことまで原則禁止した。
「飾り窓」の名で知られる合法の売春街地区は今年4月から、5人以上のグループのツアーガイドを許可制に。売春街地区では人の入りを常時監視し、混雑が激しくなった場合は閉鎖するようにした。
国内の若者に加え、独身最後のパーティー目的で大騒ぎする18~45歳の英国人客への対策を発表。
旅行の予約サイトに、迷惑行為をした際の罰則を強調するメッセージを出すようにした。
他地域に分散させる試みも始まっている。

昨年、アムステルダムを訪れた観光客は826万人で、前年を約100万人上回った。今年は900万人に迫る勢いだ。
政府、観光業界を巻き込んだ総合対策の必要性が指摘されている。
アムステルダムを特別地域に指定し、民泊を制限するエリアを作ったり、空港のさらなる拡張を見直したりすることを政府に提案しているという。
「運河に囲まれた小さなアムステルダムは構造上、大勢の観光客に対してもろい。住民の暮らしを守ることが街の魅力を守ることにつながる」と話す。
市は、クルーズ船の停泊場所を中心部から郊外に移すことを検討している。

中心部で観光客向け店舗の新規出店を禁じた規制は、特定の出店制限を禁じる欧州連合(EU)の制度に反しているとして、観光業者などから提訴されている。
EU司法裁判所は「規制を適法とするには相応の根拠が必要」との見解を示している。
「収益を優先し、観光客の増加を問題視しない観光業者もいる。観光の経済効果を得ながら住民の生活を守る必要があるが、まだ答えは出せていない」と話す。