フランスの訪問客数は8690万人で世界一 しかし「オーバーツーリズムに直面していない」と語る!

世界大国フランスは「オーバーツーリズムに直面していない」、観光トップが語る未来を見据えた対策と観光戦略
(トラベルボイス 2018年11月1日)
https://www.travelvoice.jp/20181101-120410


世界の観光客が押し寄せるフランスの訪問客数は世界1位で8690万人。そして1億人への目標を掲げる。
不思議なのは、オーバーツーリズムについて、現在のところ宿泊施設の不足感もなく、「問題に直面していない」といい、オーバーツーリズムについては、未然に防ぐ活動を重視していくと考えている。
そして「今後は、客数の拡大だけでなく質的向上も両立させる」という。
観光客が押し寄せる地域にとって、真剣に考えなければならない問題だ。


【ポイント】
フランス観光開発機構と観光庁、日本政府観光局(JNTO)は、2018年9月に3者間で観光協力強化に向けて覚書を締結した。
2017年、フランスへの海外からの訪問客数は世界1位で8690万人。
フランスは、訪問客数1億人への目標を掲げているが、近年の好調な客数増加を踏まえて「数年で、1億人の目標は達成できるだろう」とマンティ総裁はみている。

オーバーツーリズムについては、現在のところ宿泊施設の不足感もなく、「現時点では問題に直面していない」と話す。しかし、観光産業にとって重要な課題となっていることを踏まえ、未来を見据えたうえで、都市ごとの受け入れ可能な観光客数を細かく精査していくことが重要であることも強調。観光客の流れを把握したうえで、オーバーツーリズムを未然に防ぐ活動を重視している考えだ。
都市単位で時間や季節毎に、どの程度の受け入れが可能か、データを踏まえ、今後は観光客数が平準化するような周遊ルートでのプロモーションに力を入れていく。
「今後の観光施策では、客数の量の拡大だけでなく質的向上も両立させることが重要」と力を込めた。

そのうえで、さらなる観光客誘致に向けて2019年はスポーツ・芸術・食を主要プロモーションのテーマとして位置づけていく。
「観光インフラには毎年140億ユーロを投資しているが、さらにスポーツ施設やアクセス面の強化に向けて、追加で20億ユーロの追加投資を行う。これらの投資で、多くの国から訪問客を迎えるためのクオリティを高めていく」と話し、スポーツイベントをフックに観光振興を強化していく考えを示した。

フランスでは、2023年にラグビーワールド杯フランス大会、2024年にはパリでオリンピック・パラリンピックが決定しており、大型スポーツイベントが続く。
いずれも日本大会の後に実施されることになり、「大規模スポーツイベントはマネジメントが非常に難しい。そうした中で日本とフランス両国で経験を共有していけるような取り組みを進め、日仏の絆をさらに深めていきたい」と日本の観光産業との協力体制に期待を示した。

来年2019年がレオナルド・ダ・ヴィンチ死去から500年という節目を迎えることを機にルネサンスに着目したイベントを実施していく。「ルネサンス500年祭」として、ダ・ヴィンチに特にゆかりの深いロワール地方を中心にフランス全土でルネサンス時代の美術や現代美術のイベントが行われる予定だ。
「日本人は文化に関する造詣がとても深い。ぜひ、フランスを訪問して、さまざまな芸術や文化に触れてほしい」と日本人旅行者の訪問に期待感を示した。

ワインやショコラなどフランスならではの食の魅力を訴求する取り組みに力を入れる。
近年は旅先での体験を重視する旅行者が増えていることから、食と周辺のアクティビティを組み合わせた取り組みに力を入れていく方針だ。世界各国でワインを切り口にしたツーリズムが広がりを見せている中、フランスならではの楽しみ方を訴求したいとの考え。日本人観光客に対しては「ハイキングやサイクリングを組み合わせた観光素材を提案したい」という考えを示した。