タイ・プーケットの大津波災害の事例から観光振興策について学ぶこと!

海外の災害復興から日本の観光業が学ぶことは? 14年前に大津波から復興したタイ・プーケットの事例を解説【コラム】

(トラベルボイス 2018年11月3日)
https://www.travelvoice.jp/20181103-119924
自然災害発生直後に観光客が大幅に減少することは、現地の状況や、旅行者心理を考えるとやむを得ない。
タイ・プーケットでは観光復興策として価格訴求型旅行が導入され、ホテルの稼働率が向上したとされる一方、外国人観光客は価格よりも地域の魅力を重視することから、低価格は地域ブランドを低下させるだけだという。
急減する需要を救済する短期的対応と、外国人観光客に向けては、ブランドイメージを大切にした中長期的な対応が重要になるようだ。
【ポイント】
2004年にタイ・プーケットで発生した大津波による観光の復興策について読み解いたもの。
2018年の自然災害としては
5月3日のハワイ島・キラウエア火山の噴火で、ハワイ火山国立公園がしばらく閉鎖された。
8月6日は、バリ島に近いインドネシア・ロンボク島で地震が発生し、津波情報でバリ島にパニックが起こった。
9月28日は、インドネシア・スラウェシ島で地震が発生し、津波や火山噴火が起きた。
2004年12月に発生したインドネシア・スマトラ沖地震によるインド洋大津波の被害を受けたタイ・プーケットは、これまで津波に遭った経験がなかったので、どこに逃げればいいのか分からず、海岸沿いのデパートの地下街に逃げ込んだ人や、一時的に波が引いた時に打ち上げられた魚を捕りに行った人が犠牲に遭った。
観光客は、2005年1月のプーケットのホテル稼働率はわずか5~6%。その後、タイ国内の旅行業者や航空会社による価格訴求型旅行「ファン・パッケージ」を導入し、プロモーションやSNSなどで復旧アピールを行った結果、2005年12月時点に70%まで回復した。
国内客の回復が遅れた要因として、「行方不明者の『お化け』が出るという噂を恐れた」ことが指摘されている。

現在は、新たなホテル建設が進んでおり、観光客は順調に伸びている。
回復が遅れているのは日本人観光客で、常に地震や津波を警戒しているようだ。
自然災害発生直後に観光客数が大幅に減少することは、現地の物理的状況や旅行者の心理的状況を考えると致し方ない。
観光が早く復興するためには、(1)迅速な復旧対応、(2)正確な情報発信(安全性のアピールなど)、(3)効果的な観光復興策の導入が求められる。

プーケットでは民間事業者を中心に、価格訴求型旅行である「ファン・パッケージ」が導入された。
これによりホテルの稼働率向上したこと、情報発信としての効果が高かった点が評価される一方で、外国人観光客は価格よりも地域の魅力を重視しているという調査結果もあり、過度な価格訴求は地域ブランドを低下させるだけだという意見もある。
災害後の観光復興策は、急減する需要に対する救済のための短期的対応と、ブランドイメージを維持したうえで地域の魅力を活かした需要創出という中長期的対応に分けて、断続的に取り組むんことが肝要である。