2018年版旅行の近未来トレンド予測、グローバル環境における競争激化!

旅行の近未来トレンド予測・2018年版を発表、8つのメガトレンド、「つながらない喜び」から「究極のシームレス体験」まで -英ユーロモニター社

(トラベルボイス 2018年11月7日)
https://www.travelvoice.jp/20181107-120750
観光業の未来のメガトレンドは、①異業種アライアンス、②プラスチックごみ問題、③デジタル反動「つながらない喜び」、④中国の環境保全、⑤無印良品など自社ブランドホテル開業や客室の備品販売など業種が曖昧、⑥アクセスエコノミーの台頭、⑦IoT技術などによりシームレス化進展、⑧富裕層から中流者層にターゲット転換などが挙げられている。
グローバル環境において、競争はより激しくなり、業界全体を揺るがすようなアイデアも出現するという。
【ポイント】
英調査会社ユーロモニター・インターナショナルは「旅行・観光業の未来を左右するメガトレンドとは?」をとりまとめた。1000人超の専門家やアナリストの見解を「8つのメガトレンド」として整理。
メガトレンド1. カスタマージャーニーの再構築
消費者はグーグルやフェイスブックによりアクセスするが、ホテルや航空会社のサイトを見るのは年に数回程度。もっとユーザーとの接点を作る必要がある。
ルフトハンザ航空は、ドイツのスーパーマーケットと提携し、機内で食料や日用品をオンライン購入するサービスを開始した。乗客は帰宅時間に合わせて自宅に届くよう手配できる。
アコーホテルズは、宿泊客だけでなく、地元民のニーズを取り込むアプリを始動した。ホテル内の店と周辺の店が提供するサービス、朝食、ヨガ、フィットネス、荷物のデリバリーなどを、近隣住民向けに訴求している。
メガトレンド2. プラスチック・ゴミ問題
プラスチック製品による海洋汚染について、アラスカ航空、アメリカン航空、マリオット、ヒルトン、アコー、ハイアットなどホテルチェーンが、プラスチック製ストローの使用中止を決めた。
代替製品として海藻をつかった「食べられるストロー」なども登場。
欧州最大の格安航空ライアンエアーは、2023年までに機材からリサイクル不可能なプラスチックを完全排除する方針。
生物分解可能なカップや紙製に切り替えると同時に、利用客には自分のカップ持ち込みを推奨。
メガトレンド3. デジタル時代への反動「つながらない喜び(JOMO=Joy of Missing Out)」
アジアで特に注目されるのが、常に周囲とつながっていたいという反動だ。
英国や米国で旅を手掛ける旅行会社は、ネットから遮断されてボルネオのジャングルやモンゴルの砂漠で過ごす旅などを提案している。
メガトレンド4. 中国も環境保全に積極姿勢
中国は環境保全や公害対策に積極的な姿勢を堅持している。
上海郊外にあるリゾートは、明・清時代の建物を復元し、伐採の危機にあったクスノキの森林を保存して、その土地らしさを体験できるリゾートを実現している。
アリババ系列の企業では、アリペイ利用者向けのエコ・ポイントを2016年からスタートさせた。
ポイントが累積するごとにバーチャルな樹木が育ち、木が完成すると、内モンゴルで実際に植樹を行う。これまでに130万本を植えて緑化に貢献している。

トラベルトレンド5. 薄れゆく業種の境界線
旅行業と他業種の境界線がさらにあいまいになり、ホテル客室は家具や雑貨を試してもらう場となる。
ウェストエルムや無印良品は自社ブランドのホテルを開業。エキノックス・ジムもニューヨークでホテルを開業する。
イケアは、自社食材やテーブルウェアを使ったポップアップ・レストランを展開。
米国でホテル展開予定のウェストエルムは、室内に設置した商品はすべて購入可能、持ち帰ることもできる。
キャセイパシフィック航空は、機内で提供している各種アジア料理のポップアップ店をニューヨークで展開したところ、SNSで8億件以上のインプレッションを獲得した。

メガトレンド6. アクセスエコノミーの台頭
Airbnbやウーバー、ガイドツアーのバヤブル(Vayable)、地元の人と食事するイートウィズ(EatWith)などが変革をもたらしているが、この流れはさらに広がり、既存業種の破壊、新業態の登場が進む。
・サンフランシスコでは電気スクーターの利用が拡大する一方、町中での迷惑行為も増加。複数の新興企業が参入したが、2018年8月、当局が1年間のパイロットプログラム実施許可を認めたのは2社にとどまった。
・エアバス・グループがシリコンバレーで展開するヘリコプター事業、ブーム(Voom)は、ウーバー同様、携帯アプリでヘリコプターをオンデマンド予約するサービスで、エールフランス航空とも提携した。
・フランスのウィングリー(Wingly)は、個人パイロット1万人以上が登録している飛行機の予約プラットフォーム。
ドバイでも、空飛ぶタクシーの試験運転が始まった。

トラベルトレンド7. 究極のシームレス体験
ドバイ空港では、顔認証用カメラ80台以上を装備したトンネルを設置し、旅行者はゲートではなく、このトンネルを通理、ストレスを取り除く試み。
IoTやロボティクス技術を使い、チェックインから搭乗まで、旅行者の負担ゼロを目指す。
新興国ではモバイルを「かざす」だけでデータ通信ができるNFC(近距離無線通信)が広く普及。
メガトレンド8. 中流層が新しいターゲットの中心
欧米の富裕層が多かったアフリカ旅行だが、今後はアジアやアフリカの中流階級層が増える。
一方で、価格競争による数の獲得を目指すことは、オーバーツーリズムによる疲弊を招きかねない。
ラディソン・ホテル・グループは、アフリカのサハラ砂漠以南で2023年までに120軒を開業し、供給規模を60%拡大する。新規開発ホテルでは、全体の65%が中~上級顧客層をターゲットに据える。
超富裕層向けサービスの航空会社でも、幅広い客層へのアプローチに向けた変化が見られる。