中国人は「パンフレットがネット上にない」に不満!(中国駐東京観光代表処 首席代表・王偉氏インタビュー③)

「中国市場への情報発信には、ナビが必要」中国駐東京観光代表処 首席代表・王偉氏
(やまとごころ 2018.11.06)
https://www.yamatogokoro.jp/inbound_interview/28073/


中国市場への情報発信にどう対処するのがよいか? よく言われることだが、より詳しく中国駐東京観光代表処 首席代表・王偉氏から聞くと新鮮だ。
中国の旅行情報の人気サイトは、Ctrip(シートリップ)や、穷游网(チュンヨウ)が人気だという。
中国人は「都会から離れると交通が不便」「言葉が通じない」「パンフレットがネット上にない」に不便を感じている。
「東京駅からどうやって行くのか」「どうやって遊ぶのか」などより具体的な情報が必要。
訪日中国人を増やすためにも相互交流が必要。たとえ政治的に何かあっても、文化と観光に影響を与えない関係を築く事が大切だ。



【ポイント】
——上海の急速な発展ぶりと共に驚いたのが中国のネット事情。
「中国ではGoogleが使えない」「中国のみで使われているサービスが多い」ので、中国に行くと戸惑うことが多い。逆に中国の方が日本に来る時、使い慣れたサービスを利用します。中国の旅行情報の人気サイトは。
中国最大の総合旅行サービスサイトであるCtrip(シートリップ)や、穷游网(チュンヨウ)が人気です。
穷游网は、世界を旅行した人の面白かった所、美味しかった店など、多くのブログが整理されているので、それらを読んで情報を集める。
穷游网は「日本で行くべき場所を紹介してください」と公募し、入賞者に賞金が支払われ、多くの人が投稿する。
そうやって集めた評価を参考に、ホテルなどに点数が付けられる。
Ctripでは旅行した人が訪れたホテルやレストランの点数を付ける。これから旅行をする人が参考にする。
 
——中国の情報収集がネット中心であれば、集客側はパンフレットよりネットに力を入れるべきでしょうか。
圧倒的にネットです。
最近の中国人は紙からの情報収集はほぼしません。名刺も紙で持たず、ウィチャット上で交換します。
 
——中国の観光客に来てもらいたいと考えているエリアや店舗などは、何をしたらいいでしょうか。
ネット情報を充実させること。Ctripや穷游网などに載せる。また自社サイトの多言語情報を充実させることです。
中国市場向けは、スーパーブロガーを通じた情報発信が非常に有効です。スーパーブロガーに現地に来てもらい、写真を撮ってブログに書いてもらうと、多くの人に情報を届けることができる。
中国の観光当局の国内イベントも、スーパーブロガーを全国各地から集め、食事と交通と宿泊を提供することでネット発信してもらっている。

——中国市場に影響力のあるスーパーブロガーはどうやって見つけたらいいでしょうか。
スーパーブロガーは、Ctripや穷游网に連絡を取ってアレンジしてもらうか、スーパーブロガーを抱えている会社もある。スーパーブロガーには130万人のサッカー好きのファンを持っている人、ファッション、スポーツ、食事に強いなど、それぞれ得意分野がある。
——日本を訪れた中国の方は、どのような事に不便を感じているのでしょうか。
「都会から離れると交通が不便」「言葉が通じない」「パンフレットがネット上にない」に不便を感じている。
ネット上に中国語の情報を掲載することは重要です。サイト上に情報がなければ、存在を知ることもできない。
 
——ナビとしては、具体的にはどのような情報が必要でしょうか。
東京駅からどうやって行くか、どうやって遊ぶか、中国に居る人に想像できる情報を発信する必要がある。
中国人が情報検索する際に利用する百度(バイドゥ)や、腾讯(テンセント)に情報を掲載する必要もある。
 
——日本はどんな事に取り組んでいくべきだとお考えでしょうか。
日本は、中国人の渡航先1位だと安心するのではなく、もっと相互交流していくべきです。
昨年日本から訪中した人は268万人ですが、その大半はビジネスが目的です。
相互交流人口を増やすには、国と国との関係がちゃんとした前提のうえで、民間交流がとても大切です。
民間交流には文化と観光の両方がある。たとえ政治的に何があっても、文化と観光に影響を与えない関係を築く事が大切です。
 
——民間交流向上のために、どんなアイディアをお持ちでしょうか。
相互交流の向上には、日本人観光客をもっと中国に呼ぶ必要があります。
そのための相互理解の場として、①ネットを利用した若い世代に向けたイベントの開催。②リアルの場での大きなイベントの開催。今年、新宿公園で開催した「四川フェス」には6万5000人、代々木公園で開催した「チャイナフェス」には15万人が集まった。これらの規模をさらに大きくしたイベントを開催したい。③東京だけではなく地方でのイベントの開催です。

——地方でのイベントは、具体的にはどんな物になるのでしょうか。
例えば軽井沢などで、中国観光をテーマに日本観光関連団体や中国大使館とともにイベントを開催できたらと考えている。イメージとしては鳥取で行われた「村跑」や新宿で開催したチャイナフェスの地方版として市民会館などで開催し、日本の旅行会社やエリアに住む日本人に来てもらう。そこに中国の観光客を連れていって、お互いがその場で盛り上がるようなイベントができればと考えている。