海渡る「TAMAGO」卵かけご飯、訪日客から浸透中!

海渡る「TAMAGO」 卵かけご飯、訪日客から浸透中
(朝日デジタルオンライン 2018年11月18日)

https://digital.asahi.com/articles/ASLBV3JTXLBVPTIL00P.html
「生卵は食べない」はずの外国人に「卵かけご飯」が浸透し始めているという。
京都・嵯峨野。「こだわり卵専門店たまごや」は客の7~8割が外国人。
日本は生食を前提に賞味期限を決め、品質管理も厳格だが、海外では加熱することが常識。生食のハードルは高いといいながら、殻付き卵の輸出が、2008年1・2億円だったものが17年は10・2億円になったという。
かつて外国人にハードルが高かった生魚も、寿司・刺身ブームに至ったように、卵も同じだと関係者は見ている。
【ポイント】
近年「TKG」とも呼ばれる「卵かけご飯」が、「生卵は食べない」はずの外国人に浸透し始めている。
訪日旅行中に開眼するケースもあるようだ。「おいしくて安全」を売りに、鶏卵の輸出も過去最高を更新し続ける。

京都・嵯峨野。「こだわり卵専門店たまごや」に、散策途中の外国人客が数多く訪れる。
インド生まれの方は、初めての卵かけご飯を慎重な箸づかいでゆっくり口に入れ「おいしい」とつぶやいた。
肉や魚は食べない主義の方で、食事に苦労している。「日本の卵は新鮮と聞いたから試してみた。これからは、卵かけご飯も選択肢になる」という。
台湾から訪れた方は、インターネットで卵かけご飯を知った。「台湾では生では食べない。初めてだけどおいしかった」と完食した。英国から訪れた方は「問題ないね」と感想こそ少なかったが、残さず食べた。
外国人が卵かけご飯を注文し始めたのは2、3年前から。現在は客の7~8割が外国人。平日でも外国人だけで卵1個入りの並盛り20~30食、2個入りの大盛り10食近くが出る。
大阪市浪速区の卵かけご飯専門店「美味卯(びみう)」にも、外国人が訪れる。
「若い子だと、TKGという言葉も知っている」。
ユーチューブや中国の動画サイトに外国人の日本体験を配信する「P-CUBE」も7月に取材。配信後に「参考に店に行ってみます」とのコメントが寄せられた。
東京都新宿区の「かどやホテル」は京都丹波産の卵を使った「こだわりの卵かけご飯」を和食モーニングの売りにしている。

日本養鶏協会は「日本は生食を前提に賞味期限を決め、品質管理も厳格だが、海外では大半の地域で加熱することが常識。生食のハードルは高い」。
映画「ロッキー」の主人公が生卵を飲む場面を挙げ、「欧米では一種の衝撃映像だと思う」と説明した。

変化の兆しもある。日本食ブームを追い風に殻付き卵の輸出は好調。2008年に1・2億円だった輸出額は、17年は10・2億円。これまでは香港、シンガポールなどアジアが市場だったが、今年10月には米国向けの輸出解禁も決まった。
愛知県岡崎市の三栄鶏卵は12年からシンガポールに生卵を空輸。
「かつて外国人にはハードルが高いとみられていた刺し身も受け入れられ、海外での寿司ブームにまで至った。卵も同じで、多くの訪日外国人が日本に来る今、生でも安全でおいしいと分かれば、広がるのは早い」と話す。