軽井沢のオーバーツーリズム 人口2万人に観光客840万人で420倍!

誰も語りたがらない、軽井沢にある「世界レベルの公害」の話

(軽井沢から通勤するIT系会社員のブログ 2018-11-13)

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オーバーツーリズムが世界で問題になっているが、軽井沢町の状況も凄まじい。

観光客数/人口=交流人口比率をみると、京都市は人口148万人に観光客5522万人で37倍。鎌倉市は人口17万人に観光客2128万人で125倍。スペインのバルセロナ市は人口161万人に観光客3200万人で20倍。軽井沢町は人口2万人に観光客840万人で420倍だという。

観光が主要産業の軽井沢町ではあるが、地元に生活する人からすれば深刻な問題が発生している。

悪いもの探しでなく、冷静に解決方法を考える提案をしているこのレポートは秀作だ。

 

 

【ポイント】

軽井沢の公害、それは「観光」。観光によって住民生活に悪影響が出ることを「オーバーツーリズム」という。

 

スペイン・バルセロナやイタリア・ベネチアなどでは、観光客排斥のデモが相次いでいる。 

1992年に開催されたオリンピック以後、観光客誘致を推進してきたスペイン随一の観光都市バルセロナは、2016年に年間3200万人の観光客が押し寄せた(世界観光指標)。わずか160万人の人口と比較すると、ざっと20倍という数字だ。バルセロナ市が行っている調査では、「市民が困っていること」のトップが「失業の悩み」から「観光客に関する悩み」に代わった。

 

観光客数を住民数で割ったものを「交流人口比率」とし、日本でも「オーバーツーリズム」の問題を抱える鎌倉市や京都市なども数値を出している。

 

観光客数 / 人口 = 交流人口比率

軽井沢の観光客数は年間840万人。軽井沢町の人口は約2万人。交流人口比率は420倍になる。

 

軽井沢町の産業にとって「観光」は大きな稼ぎ頭。売上高で上位の産業を見ると、「卸売・小売業」、「建設業」、「宿泊・飲食サービス業」と並ぶ。小売と宿泊飲食で半分近くの売上になる。

 

人口2万人の軽井沢が840万人の旅行客にサービスを提供しているので、慢性的に労働力不足の問題がある。

ピークシーズンとオフシーズンの差が激しく、その差は、ときに5倍から10倍にもなる。

冬の間は人が来ないため、飲食店や小売店はクローズしてしまう所も多い。雇われる側は、通年で働けないので安定収入を得るのが難しい。

 

軽井沢のオーバーツーリズムが顕著に出るのは「交通渋滞」。

地元住民は、ピークシーズンや休日は、渋滞がどこで起きるのかを把握しておく必要がある。旧軽井沢あたりはとても近寄れない。当然ながら事故も多い。

地元で有名なスーパー「ツルヤ軽井沢店」は、出入り口付近に団体バスの乗り付けられ、ほぼ毎日、接触事故が起きているという。当然、地元住民は、ハイシーズンのツルヤ軽井沢店を避ける。

 

人気の軽井沢ではあるが、こういった観光公害は住民だけでなく、旅行者にとってもマイナスだ。

人気の飲食施設などは1時間以上待たされることもある。都会の喧騒を離れて信州に来ても、騒がしいまま1日が終わってしまう。

軽井沢の実態を見ていると、悪いのは外国人旅行客だけではない。国籍にかかわらずマナーの悪い客や運転の荒いドライバーはいるし、ゴミ出しのルールを守らず放置して帰る別荘族もいる。

 

軽井沢にとって「観光」は町を支える一つの産業の柱である。雇用が生まれ、経済が回り、文化が育まれる。

マナーの悪い観光客に問題をなすりつけることは短絡的だ。軽井沢町全体(町政・企業・町民・そして別荘族など、あらゆるステークホルダー)が協力しあい、社会構造の根本から解決を目指すべき問題だ。

誰が悪いかという問題にするのではなく、どのように交流人口をうまく管理するかを考えるべきだろう。

人気スポット周辺に団体バス駐車場を用意するとか、鉄道会社と連携してパーク・アンド・ライドを推進するべきだろう。

軽井沢という観光地が、その魅力を維持しながら、どのように健全に発展していくべきかという、「サステナビリティ(持続可能性)」の問題でもある。