インバウンド体験ツアー「ノットワールド」はどうすごいのか ノウハウ公開!

【体験ツアー:ノットワールド】3年連続「エクセレンス認証」を獲得中! 選ばれる「食べ歩きツアー」はどうすごいのか?

(やまとごころ 2018.11.30)
https://www.yamatogokoro.jp/inbound_case/28687/
アクティビティの予約サイトが一気に充実して、よりよいツアーが提供され、満足度の高い評価を受け、さらに集客を集める。この構造はほぼ完成したようだ。
インバウンド客は“定番の観光地”だけでないコンテンツを求めており、ツアー料金は”驚き”の付加価値で決まるという。これらのノウハウや、ガイドのレベルを担保する方法について、このレポートは書かれている。 

【ポイント】
①「体験プログラム」や「着地型ツアー」の注目度が高まっている。
②訪日客が個人客やリピーターの増加によって、モノからコトへ消費志向が変わってきている。
③より地域らしさを感じられるコンテンツが求められている。
④viator、Get Your Guide、Airbnbなどのオンライン予約サイトが整った。
2014年より小規模グループ・個人向けの「食べ歩きツアー」を実施しているのがノットワールドだ。
口コミサイトのランキングで常に上位に位置し、トリップアドバイザーのエクセレンス認証を3年連続獲得、viatorやGet Your Guideでもアワードを受賞するなど、インバウンドに人気のコンテンツ。
「ツアーの立ち上げ当初の客は月に数人」だったが、現在は年間1万人以上も集客している。
(※「トリップ・アドバイザー」2018年11月20日現在、関東地方のツアー920件中第4位)
ノットワールドの人気のコンテンツは「食べ歩きツアー」だが、浅草や築地といった定番観光地で実施されるツアーと遜色ない人気を持つのが”砂町銀座”。
「世界旅行をしたときにローカルなエリアほど面白く、地元感あふれる市場とか商店ほど異文化を感じた。だから、訪日外国人もローカルなところに惹かれるはずだと思った」
場所の選定ポイントは、①美味しい食べ物があること、②人が温かいこと、③立地的に魅力的なことで、目をつけた商店街のうち、谷中銀座や戸越銀座、十条銀座、武蔵小山などは、駅からのアクセスが良く、外国人が自分で行ける場所で、ツアーとしての価値が余りだせない。そして都営新宿線大島駅から歩いて20分近くかかる砂町銀座(東京都江東区北砂)に行き着いた。
外国人が勝手に行ける地域は、人気に火が付けば、外国人であふれかえる可能性が高い。そうなれば本来の魅力が半減してしまう。
築地ツアーも開催しているが、市場が好きだという感情とともに、共同経営者が場外で働いた経験があるので、築地でも特にローカルさを感じられるスポットを案内できるという利点があった。
卸売機能が築地から豊洲へ移行したが、築地の場外市場はそのまま残っているので「築地ツアーには大きな影響はない」という。築地ツアーは8割強が場外、残りが場内という時間配分。値段とツアー時間を微調整するだけで、これまでと変わらずに満足していただけている。
豊洲については、朝の競りが見られる6時に行くならば見る価値がある。仲卸市場が見られる観光用通路(2階)などはそれほどの魅力はない。市場見学のルールの変更に注視するという。
利用客の半数がアメリカ人、2割がオーストラリア、英国、カナダであり、7割が英語を母国語とする国からの観光客。そのほかも、欧州やシンガポール、フィリピンといった比較的英語が得意なエリアが目立つ。英語圏の客を狙ったのではなく、英語のガイドが多いから、自然と英語圏の客層が多くなったという。
「ツアーのほとんどが半日で1万円前後」 結果的に富裕なゲストの参加が多い。なので、ホテルとのコミュニケーションを大切にしながら、ホテルの方に参加いただく機会を設けることもある。実際に参加してもらうことで、「自分たちの大切なお客様に紹介するのに価値があるかどうか」を判断してもらえる。
最大の集客チャンネルはオンライン予約サイト。トリップ・アドバイザーなどのサイトはアルゴリズムが変化するので、UIを試してみたり、A/Bテストをしてみたりするが、小手先のテクニックは重要でなく、良いコンテンツ、質の良いアクティビティをゲストに提供し続けることに尽きる。
ツアー料金設定について、「我々が食べ歩きツアーを始めた頃に比べて同業者が増えているが、だからツアー料金を下げるということでなく、為替や競合の状況をみて微調整する程度。「料金というのは、何が経験できるのか」という付加価値こそが決めるものだ。付加価値があれば満足度は高まるし、満足度が高ければゲストは来ると考えている。
新たな参入事業者は「ある程度クチコミが溜まるまで、特別料金で集客するのも一つの考え方」とも話す。
「ガイドのスキルで変わってくる面もあるが、ツアーの規模と品質は相関する。ガイド1人で40人を引率するツアーと、5人を引率するツアーでは、お客さん満足度はまったく違う。質を担保するため「少人数ツアー」を行っている。“ツアー中に全員の名前をパッと言えるかどうか”が、満足度を高められるかどうかの指針となっている。
ガイドのスキルによるツアーの質のばらつきを抑えるため、「何時に〇〇に行って、何時にここに着いたら〇〇という話をして、このお店でこのフードを食べながら薀蓄を言う」というマニュアルを作っている。笑いが取れる場所と方法まで載せ、コンテンツを作り込むことで、ツアーの質を確保している。
通訳案内士の資格は取ったがガイドは無理という方もいる。マニュアルを用意することで、ツアーの質を担保するだけでなく、ガイドがデビューしやすくなるという意義もある。
現在抱えているガイド80人、ほぼ全員が通訳案内士の保持者だという。
通訳案内士法が改正され、無資格でも有償で通訳ガイドすることが可能となったが、それほど影響はなく、それよりAirbnb experienceなどのプラットフォームの普及による影響のほうが大きい。
マニュアルはガイドが自分で考える余裕を作ることが最大の目的であって、守るべきものではない。
ガイドのレベルを一定に保つためには、「採用」と「教育」が大切。
「採用」については、友人の紹介などが多く、素敵な人から紹介いただいた人はやっぱり素敵であることが多いので、縁を大切にすることで良い人を集められる。
「教育」にいちばん力を入れている。基本的には実地と座学の両方の研修を受けることを必須としている。
重要なポイントは、ゲストとしてツアーに参加してもらい研修の内容を確認してもらうとともに、英語力やコミュニケーション力のチェックを行う。さらに現場で実際にガイド役をしてもらい、その様子もチェックする。
だいたい2回くらい繰り返し、それで“大丈夫そうだ”と判断した人だけ独り立ちする。
ガイドさんには、毎回、レポートの提出をお願いしており、どこで何を食べた、良かった点と困った点、ゲストの満足度、ゲストの反響や地元の声も書いてもらっている。
トリップアドバイザーの評価は、2018年11月20日現在、Japan Wonder Travelは817件(英語は786件)の口コミの95%が「とても良い」という評価だという。