インバウンドが「ドン・キホーテ」に殺到する理由!

外国人が心底「ドン・キホーテ」を愛する事情

(東洋経済オンライン 2018年12月3日)
https://toyokeizai.net/articles/-/250699
アジア系外国人のほとんどが来ている「ドン・キホーテ」の、集客、販売の努力は凄まじい…
インバウンドは、安全で安心な商品に群がっているが、「日本」そのものを消費しようとする視点は鋭い。
「ドン・キホーテが、なぜ外国語表記のPB商品を作らないのか」に対し、「むしろ外国語表記のものは売れない」「日本の商品がほしくてやってきているのに、母国語が書かれていたら興ざめ」だという。
ドンキの快進撃は、商品をぎっしり詰め込んで独特の雰囲気を作り出しているのが物珍しいからだけではなく、企業努力の賜物だ。
【ポイント】
観光地に近いドン・キホーテの店内放送は、日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語まで流れている。
外国人訪問客は、観光地名の大きく入ったお菓子や蒟蒻ゼリー、キャラクターグッズだとかを物色している。
さらに観察していると、日本人が購入している商品を、外国人も購入している。
SNSなどの宣伝効果があるのでしょうが、彼ら・彼女らは、「日本」を消費しているようだ。

ドン・キホーテの担当者に「観光客相手にも販売しているドン・キホーテが、なぜ外国語表記のPB商品を作らないのか?」と質問したが、「むしろ外国語表記のものは売れません」でした。あくまでも日本の商品がほしくてやってきているのに、母国語が書かれていたら興ざめだ、というわけだという。
日本にやってくる外国人旅行者は、日本文化のひとつとして、ドン・キホーテを”消費”しているといえる。

ドン・キホーテのインバウンド客数は、韓国、中国、台湾がトップ3。売上高は、中国、韓国、台湾、とトップが入れ替わっている。
ドン・キホーテで売れているものは、圧倒的に日用雑貨です。次に、時計・ファッションと続きます。このなかには、むしろ、中国で生産されているものもあるくらいで、興味深い現象です。

ドン・キホーテで、免税品の売上構成率(つまり外国人観光客の購入が最も多い)第1位の店舗は、大阪の道頓堀御堂筋店で、比較的、ドン・キホーテのなかでは王道のつくりです。
ただ、外国人対応のため、POPは英語、韓国語、中国語が目立ちます。家電のコーナーには、各国の電気プラグ対応表まで掲示されている。

1階には、キットカットなど訪日土産の定番のお菓子が並ぶ。18禁ののれんからは、意味がわからず入ってしまった外国人女性が赤面して出てくるなど、微笑ましい光景も見られる。

いまでは外国人観光客の名所となったドン・キホーテですが、インバウンド獲得の取り組みは一朝一夕ではない。地道な広報活動を繰り返した努力の賜物です。毎年のように着々と宣伝活動をやり、多言語化への取り組みも怠っていない。また、2005年に安田奨学財団を設立し就学支援なども行っている。

アジアの旅行代理店に出向いては、銀聯カードが使えたり、免税店を持っている利点を伝え、売り込む活動を続けている。また、業界他社に先んじて「ようこそ!カード」を作り、加盟店でポイントを貯めたり現金化できたりする仕組みを説明している。
さらには多通貨での支払いを可能としている点や、すべての店舗で免税手続きが可能、Wi-Fiも利用可能。一部の店舗では空港まで配送するサービスを展開している。
買いやすさが売り上げアップにつながると理解している。
ドン・キホーテは外国人旅行者に訴求する化粧品や医薬品を充実させている。
日本人にはなかなか理解できないが、中国では農村部で病院が不足しており、都会の総合病院は並ぶのに時間がかかる。さらに治療に多額の費用がかかるため、医薬品の需要が高い。くわえて「日本の薬は安全で、さらによく効く」とみなされている。
また、外国人が買いたくなるお土産を徹底的に調査しており、蒟蒻ゼリーを大々的に展開していた。くわえて、免税の買い物を事前に予約できるサービスまで展開している。
ドン・キホーテは、エンターテイメント場としても機能しており、旅行中にあまった小銭を使わせるUFOキャッチャーを設置するなど、細部までぬかりがありません。

日本を訪れる外国人旅行者の「大半がドン・キホーテにやってくる」。
これは多種多様な商品を店内にぎっしり詰め込み、独特の雰囲気を作り出しているドンキが、物珍しいからだけではない。
ドンキが、インバウンド獲得のためにあらゆる手を打った努力の結果です。