欧米で民泊エアビーの成長が鈍化 法律の順守や、安全性に課題!

欧米で民泊エアビーの成長が鈍化? OTAとの競争激化で見えた課題を分析した【外電】

(トラベルボイス 2018年12月15日)
https://www.travelvoice.jp/20181215-121936
エアビーの成長は2017年度に3ポイント増の25%、2018年は2ポイント増、全体の27%と、2016年度の8ポイント増からみて鈍化している。
理由は、認知度が向上したが、法律の順守や、安全性に不安を感じる人が多いこと。OTAとの競争激化だという。
2018年にエアビーを利用した旅行者は27%といい、絶対数が少なくないので、エアビーの存在が大きな影響を持つことには変わらない。
エアビーに求められるのは、法律の順守や、安全性、地域住民との調和にあるようだ。
【ポイント】
Airbnbの成長に鈍化
 2018年10月までの12か月間でエアビーを利用した旅行者の比率は、前年同期比で2ポイント増、全体の27%。
 2017年度調査では、エアビー利用者のシェアは2018年とほぼ同等の3ポイント増の25%。
 2016年度は同8ポイント増となっており、伸び率の勢いはかなり強かった。
 利用頻度は、過去3年は横ばいだったが、今回はマイナスに転じ、同10%減の「年3回」となった。

成長が鈍化した3つの理由
 ・エアビーの認知度が十分に行き渡ったこと。今回の回答者の約86%が同社を知っていた。
 ・プライバシーや法律の順守、安全性に関わる諸問題が、依然として一部の旅行者では不安要因。
  「エアビーを使用しない」と回答した人の50%以上が、「セイフティ」「プライバシー」「合法性」を挙げた。
 ・大手OTAの参入により、エアビーが熾烈な競争を強いられている。
  OTAによる欧米市場におけるホテル取扱いの伸びは約7%増、これに対しエアビーは6%増と予測。
  民泊ビジネスへのOTA参入は急速に進んでおり、今後2年間は、エアビーの1.3倍の勢いで拡大すると予測。
  回答者全体の59%が、旅行の予約ではOTAを使うと答えた。

エアビーの反論
「当社の登録件数は191か国・8万1000都市以上。2028年までに、年間利用者10億人のプラットフォーム実現を目指している。ホストもゲストもコミュニティーの大切なメンバーであると考えており、代替可能なコモディティ扱いはしない方針のもと、大きく成長している。モルガンスタンレーの調査は非常にズレていて、例えば欧米市場における2020年までの成長予測を見ると、今後の予測値として記載されている数字の中には、弊社がすでに達成済みの数字もいくつかある」

2019年のエアビーの取扱いについて、モルガンスタンレーの調査で、米・英・仏・独では前年比約6%増の計1億5000万泊と予測している。昨年のレポートでは、2018年の年間取扱い(米国およびヨーロッパ)は同14%増の約1億5500万泊と発表していたが、その後、見通しを下方修正し、現在では1億4000万泊としている。

世界全体では、2020年までに、エアビーの宿泊取扱いに占める欧米以外のマーケット比率が半分近くを占めるようになると予測。エアビーの総取扱いは、2017年から2020年までに20%増との見通しを明らかにしている。

エアビーが、ホテル業界にとって、かつてほど大きな脅威ではなくなっている。少なくとも米・英・独・仏のホテル産業において、稼働客室当たり収益(RevPAR)への影響は軽微だ。
「もっと広い意味で、欧米の宿泊産業全体を考えた場合、やはりエアビーは懸念材料」であり、実際、ホテル稼働率には影響が出ていると指摘する。
回答者の47%が「2018年に、宿泊先としてホテルの替わりにエアビーを選んだことがある」と答えた。
エアビー利用者の滞在日数が長くなる傾向にある。昨年の平均滞在期間は4.3泊だったが、今回は4.5泊だった。

街中のホテル稼働率が95%超、ここでもエアビーの影響はほとんど見られない。
満室に近くなれば、宿泊レートも跳ね上がるものだが、料金レベルにも大きな変化は見られなかった。
2016年と2017年は、全米25都市のピーク・ナイト数は前年比マイナスだったが、2018年は7%増とプラスに転じた。

消費者は、ホテルの予約ならOTA、民泊ならエアビーと使い分けることが多いが、「この境界線は、長期的には消滅していくだろう。消費者はホテルも民泊も含めて、種類や在庫が一番豊富なウェブサイトを選ぶ」
2018年初め、エアビーではホテル各社に対して同社プラットフォームへの参画を呼びかけたが、掲載ホテル数は、まだブッキングやエクスペディアに追い付いていない。2018年2月、エアビーで予約可能なホテル数は2万4000軒。

ブッキング・ドットコムでは、掲載している宿泊施設の80%近くが個人運営の物件(軒数ベース)であり、この数は年率50%増で増えているという。
ホテル、モーテル、リゾートなどの増加率は10数%ほど。
「ブッキング・ドットコムのウェブサイトには、2018年9月30日現在、約206万5000軒を掲載。内訳は、ホテル・モーテル・リゾートが計43万軒、居住物件・アパートメント・そのほかユニークな宿泊施設が計163万5000軒」。
ブッキングやエクスペディアが、膨大なマーケティング費用を投じている。2社のマーケティング投資額は、世界最大のホテルチェーン5社のマーケティング費用合計額の二倍に相当。
米国外のマーケットで、ブッキング・ドットコムがエアビーを上回るトラフィック数を獲得している。
アプリのダウンロード数は、エアビーが8200万件に対し、ブッキングは1億3000万件だ。しかし米国内では、エアビーが2700万件で最も多く、続くエクスペディアが2100万件、ブッキングとトリップアドバイザーがそれぞれ1700万件ずつの順になっている。
欧米のエアビー利用者の46%は、「Airbnbエクスペリエンス」も過去12カ月以内に予約していた。米国の利用者に限っていえば、この比率は67%に跳ね上がる。

優良物件ばかりを集めた「エアビーアンドビー・プラス」の認知度は、米国のエアビー・ユーザーでは55%、その他の国を含めたエアビー・ユーザー全体では40%だった。
米国人回答者では、10人中8人ほどが、来年あたり、エアビー・プラスも利用してみたいと答えた。
ヨーロッパのエアビー・ユーザーの反応はこれより薄く、今後の利用に意欲的だったのは、英国で69%、フランス70%、ドイツ58%にとどまった。

モルガンスタンレー・リサーチが毎年実施している「アルファ・ワイズ調査」。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの消費者4000人が回答。