訪日客の「ナイトタイムエコノミー」は消費拡大の切り札か? 「渋谷ナイトツアー」の実例!

訪日客の「ナイトタイムエコノミー」は消費拡大の切り札か? 国も本腰をあげた施策と渋谷の実例を聞いてきた
(トラベルボイス 2019年2月26日)

「渋谷ナイトツアー」の一番人気は、渋谷センター街のツアーだという。
ツアー終了後に再度訪問する旅行者も多いということは、勝手のわからない歓楽街をガイドの案内で歩くこと、そして、居酒屋などを再訪して楽しむようだ。
利用時間帯は18時が最も多いという。旅行者は日中、お土産を持ちながら観光したくないことから、買い物は21時以降になるようだ。ドン・キホーテの免税販売のピークは21時〜24時だという。
「ナイトタイムのエンターテイメントの充実」が叫ばれて久しいが、本当に、外国人がエンターテイメントを求めているのかリサーチする必要がある。
【ポイント】
「インバウンドマーケットEXPO2019」で「ナイトタイムエコノミー」についてのセミナーが開催された。
自民党時間市場創出推進議連の会長を務める衆議院議員河村建夫氏が「日本経済におけるナイトタイムエコノミーの重要性、緊急性」の講演、ジェイイノベーションズ代表取締役の大森峻太氏が「渋谷ナイトツアーの実例にみるナイトタイムエコノミー成功の秘訣」を紹介した。

訪日外国人は「モノ」から「コト」に移行するなか、娯楽サービス費購入率も2012年の21.5%から2017年は35.7%に上昇。一方で、消費支出に占める割合は2017年で3.3%、アメリカの12.2%、フランスの11.1%(2015年データ)と比較すると低水準。
2018年の訪日外国人による現地消費額は4兆5000億円と過去最高を記録したが、2020年に8兆円という目標には程遠い。
ロンドンは、24時間運行の地下鉄や「ナイトメイヤー(夜の市長)」制度など、ナイトエコノミーだけで経済効果は263億ポンド(約4兆円)に達し、2029年には283億ポンドに増加すると見込まれているという。
自民党時間市場創出推進議連では中間提言のなかで、コンテンツの拡充や場の整備、安全安心の確保、情報発信の一元管理などに加えて、鉄道やバスの営業時間延長、週末の終夜運行、相乗りタクシーの解禁なども盛り込んだ。また、ナイトタイムGDP5兆円を設定した。
訪日外国人旅行者向けのガイドツアーを提供しているジェイイノベーションズは、ナイトタイムツアーとして渋谷と原宿でそれぞれ3つのコースを用意している。一番人気は渋谷センター街のツアーだという。
「リピーターでもガイドの案内によって新たな発見がある」ことが理由のようだ。

現在、英語のみのツアーのため、参加国はアメリカが一番多く、フィリピン、ドイツ、イギリス、フランスの順。
18時台が最も多く、予約はAirbnbやViator などOTA、観光案内所、自社ウェブサイトからだという。
「ツアーは街と旅行者をつなぐきっかけづくり。ツアー終了後に再度訪問する旅行者も多く、それによって滞在時間が伸び、消費額も増える」と説明。
大切なのはガイドに対する信用だとし、「信用があれば、再訪し経済効果が生まれる」と話した。

また、ナイトタイムエコノミーの成功事例として渋谷のドン・キホーテを挙げた。
外国人の免税販売のピークは21時〜24時。「旅行者は日中、お土産を持ちながら観光はしたくない。お土産だけを購入して、そのままホテルに戻りたい」 ドン・キホーテはその消費行動にうまく対応している。
渋谷区と新宿区がタッグを組んだ「Tokyo Night Time Passport」を紹介。両区の50店舗で使用できる食事クーポンは、ぼったくり対策になるほか、メニューが指定されているためお通し代金のトラブルもない。

ジェイイノベーションズでは、ツアーに加えて、外国人が集まる交流イベントをホステルなどで企画。
ホステルでの飲食売上も伸びたことから、他の場所での開催も検討しているという。

ナイトタイムエコノミーの成功のカギは、「地元の人達を巻き込むこと」「まず地元の人たちが楽しみ、楽しませること」「外国人目線で考えること」を挙げるとともに、「夕食の後にやることがない」という声が多いことから、「終電から始発までの時間帯や早朝のツアーも実験的に造成したい」という。