訪日観光ブームが畳増産を生み、低迷していた畳業界に追い風!

畳増産たたみかけ 低迷業界に吹いた追い風

(朝日新聞デジタル 2019年3月19日)
訪日観光ブームで「畳の小上がり」を作るホテルが増えている。宿泊料金は高い目だが、訪日客に人気があるという。
日本の畳市場は縮小を続けており、イグサの畳表の国内生産量は18年は261万枚と、09年の約4割減だ。「宿泊施設での需要が伸び、畳市場が活性化して、畳文化が残っていくきっかけになれば」と話す。
【ポイント】
訪日観光ブームに、畳業界が沸いている。販売先は、外国人の誘客に力を入れるホテルだ。

「京都新阪急ホテル」は、畳敷きの「小上がり」を備えたツインルームを56室に増やした。畳の小上がりは2015年に初めて設置。京都らしさを味わってもらおうとまずは8室に導入し、昨年1月には12室に拡大。今回は、一気に5倍近くの56室にした計算だ。

「小上がりに座って写真を撮り、SNSに載せている方も多い」という。京都ではホテル開業が相次ぎ、競争は激しさを増し、「稼働率は下がってきている。畳の小上がりで宿泊客の満足度を高めていきたい」と意気込む。

大阪・本町で昨年5月に開業した「大阪ビューホテル 本町」では畳のある和洋室タイプの客室を8部屋用意した。宿泊客の5割超が訪日客だ。和洋室タイプは通常の客室より宿泊料金が高いが、訪日客を中心に人気があるという。

「カプセルホテルや外資系高級ホテルと比べ、宿泊特化型ホテルなどは特色を出しにくく、競争が最も激しい」と指摘。「そのため分かりやすく差別化でき、訪日客需要にもマッチする『和』を取り入れるホテルが多い」と話す。

国内の畳市場は縮小を続けている。イグサの畳表の国内生産量は18年は261万枚で、09年の約4割減だ。イグサの畳表は今は中国からの輸入品が国産の3倍ほどだが、それも減少傾向にあるという。
だがここにきて、ホテル向けの販売に力を入れて巻き返そうというメーカーが現れた。

大阪市の住宅用建材大手の大建工業は、宿泊施設に機械すき和紙の畳表の営業をかける専任チームを設けた。昨年10~12月期の宿泊施設への販売数は前年比2倍に。さらなる販売増を見込んで今年4月以降、福島県にある工場の生産能力を1・5倍に引き上げる。
同社は畳表の需要を拡大しようと、機械すき和紙の畳表の製造を約20年前から始めた。機械すき和紙はイグサに比べ、傷みにくく色あせしにくいといった利点がある。
「宿泊施設での需要の伸びで、畳市場が活性化して、畳文化が残っていくきっかけになれば」と話す。