「博覧会のプロデュースとは? そして観光」 (講演概要)

 

 

 

「博覧会のプロデュースとは? そして観光」(講演概要)
株式会社Landa 代表取締役の宮本倫明様 (令和元年 6 月 13 日)

宮本さまは、山口県は萩のご出身で、お名前の“倫明“は、長州藩の明倫館から名付けられたといいます。大阪大学のご出身で、大阪に拠点を5年前に移されたと語られました。

1970年『大阪万博』に従事したイベントプロデューサー北本正孟さんに弟子入りし、今年2月に他界された堺屋太一さんから地方博のイベントの企画・プロデュースを学ばれ、その後独立されます。

1989年『海と島の博覧会・ひろしま』、1992年『第1回ジャパンエキスポ富山』、2001年『うつくしま未来博』(福島県)をプロデュースされます。37歳の時、総合プロデューサーされた初仕事が『うつくしま未来博』だったそうです。環境に配慮した博覧会を目指したといい、豊富な水を使った水力エスカレーターを作り、民話パビリオンなどを作られます。民話パビリオンは、当初、ご高齢の語り部のおばあちゃんが亡くなったら民話が継承されなくなるので、カラクリ民話館を目指されたのですが、住民から民話の語り部を残したいとの声が大きくなり、民話研修会を県内7箇所で開催され、百数十名の語り部が誕生したといいます。

2004年『えひめ町博』では、町そのものを使い、パビリオンを作らない町博をプロデュースされます。ここでは「地域の人が知っている情報も、地域で共有されていない」ことに気がついたといい、地域住民を集めた座談会を28市町村でそれぞれ何回も開催されます。「面白なかったら次回は来なくてもいい」「面白かったら仲間を連れて参加する」といったゆるい感じのおしゃべり会で、「どうしたら客が来るか・楽しんでもらえるか」を話し合ったといいます。参加者が参加者を連れて来られ、それが多くのグループに発展し、全体プログラムに発展したといいます。「甦れ!明治の婚礼」では、タンスの肥やしになっていた古い着物を観光客に着てもらおうというグループと「人力車」を引こうというグループが連携して新しい体験プログラムを立ち上げるなどこれまでなかった、地域住民同士の協力も生まれたようです。内子町ではレトロバスを走らせたのですが、博覧会が終わってからも、旅客自動車運送事業の免許を取り、バスは1台から3台に増やし事業化されたといいます。
『えひめ町博』などプロデュースをして、住民の声を聞き、住民がしたいと思うものを聞き出すなかで、「学べる」「モチベーションが上がる」「多少稼げる」ということが大切だと気づいたといいます。

2009年『美し国おこし三重』に取り組まれます。実は『えひめ町博』を視察に来た三重県の職員が、10年後の伊勢神宮遷宮の後イベントとして相談に来られたことがきっかけだったといいます。三重県はNPO先進県といい、地域のグループに“博覧会のパートナーグループ”に登録してもらい、6年間で4500回を超える座談会を重ねたといいます。具体的には、「ソーシャルレジャー」グループでは“地域貢献”として海洋清掃を行った後、“お楽しみ”として“たこ焼き大会”を行ったといい、「物語おこし」グループでは、マップや紙芝居を作り、そのネタを元にツアーを行われます。ツアーに来られた人はその語りを聞いて「ヘエ〜・ホーッ」と感動する流れが生まれたといいます。「チャレンジキャンプ」グループでは、サッカー部の学生の合宿が行われます。「サッカーの技術的・体力的には学校間の差がなく、技術を教えるのではなく、コミュニケーション能力を鍛える」との監督の思いから、“荒れた田んぼの開墾“に取り組んでもらったといいます。農具だけを渡して自分で考えさせるといい、当初は開墾が進まないのに学生も悩み、雑魚寝しながら「3人セットで開墾+根っこを運ぶチーム」手法を思いつき、一気に開墾が進んだといいます。土地のオーナーも大喜びですが、サッカーもその年全国優勝したといい、地域の人がバスで応援に押しかけたとのエピソードをお聞きしました。

2015年『道頓堀盆おどりインターナショナル』が、道頓堀の遊歩道で開かれ、2025人の踊り手を集めギネス更新を達成されます。当時「道頓堀にプールを作ろう」との話もありましたが、南米では1万人規模の盆踊りが盛大に開催されており、盆踊りを世界に広げたいとの思いもあったといいます。しかし開催前夜、雨の予報があり600人がキャンセル。ギネス達成が危ぶまれたのですが、周辺の人に「応援してください」と呼びかけたところ、参加してくれてギネス達成。こうした呼び掛けに応じてくれるのも “大阪ならでは”だと話されていました。
2017年カザフスタンで『アナスタ万博』が開催され、ジャパンデーの取り組みとして、大阪から海外初公開の宝恵駕籠と福娘が派遣され、喜ばれたといいます。
2017年『関西イベントダイナミクス』を開催、現在は「道頓堀Vision」のリニューアルに取り組んでおられます。映画「ナイトミュージアム」で、博物館の展示物が動き出すように、道頓堀の看板の“カニ”“グリコマン”“タコ”などが、夜になると動き出す動画を作るプロジェクトなどを進められているそうです。
また夢洲IR会場などに、第二の道頓堀『Little Dotonbori』を実現させる構想を練っていること、『食博覧会大阪 2021』『大阪城10万人の大盆踊り』など、今後の取り組みも紹介されました。

最後に『万博』の開催意義にいて、“世界にとっての意義”として「持続可能な開発(SDGs)」「日本だけでなく、世界にとってビジネスを広げ、文化を発信する機会」、“日本にとっての意義”として「日本の国家戦略、特にSociety5.0との整合性」、“大阪・関西にとっての意義”として「大阪の成長戦略の起爆剤に」「世界における関西の認知度向上」の、3つの意義を達成させようと、講演を結ばれました。

質疑応答の中で紹介された「女が男を選ぶ基準」について紹介します。東京や他の地域では、上位に「男前」、「カッコいい」「頭のいい人」がくるといいますが、大阪では1位が「おもろい」、2位が「金儲けが上手い」だそうです。時代は「おもろい」に向かっているのかもしれません…。