キャッシュレス決済乱立 スマホQRコード決済、2018年度の512万人から3.67倍を予測!

キャッシュレスの主戦場は「地方」へ、中国人インバウンドが強烈後押し

(ビジネス+IT   2019/06/10)
https://www.sbbit.jp/article/cont1/36503
消費税増税のポイント還元が取り入れられることもあり、キャッシュレス決済への新規参入に拍車がかかっている。
日本の決済は、1,000円〜3,000円は現金71.6%、クレジットカード43.6%。1万円〜3万円は現金44.7%、クレジットカード68.3%とシェアが逆転する。しかしスマホQRコード決済は4%以下にすぎない。
しかし今後を見ると、スマホQRコード決済は、2018年度の512万人から2021年度に1880万人へ3.67倍を見込むという。 
【ポイント】
スマホキャッシュレス決済が乱立してきたが、今後、主戦場が大都市圏から地方へ移りそうだ。
「キャッシュレス決済」には、「クレジットカード」「デビットカード」「カード式の電子マネー」「スマホアプリの電子マネー」「スマホのQRコード決済」などがある。
2018年に登場した「○○ペイ(pay)」はQRコード決済が多いが、中には電子マネーのシステムを利用するものもある。
楽天の「楽天ペイ」、ソフトバンク系の「PayPay」、Lineの決済サービス「Line Pay」、独立系の「Origami Pay」、NTTドコモの「d払い」、アマゾンジャパンの「Amazon Pay」、ローソンの「ローソンスマホペイ」、メルカリの「メルペイ」などが次々と旗揚げした。 
2019年にみずほ銀行と地銀21行の「J-Coin Pay」、4月にKDDIの「au PAY」、5月にゆうちょ銀行の「ゆうちょペイ」がサービスを開始している。 
スマホアプリの電子マネーも、JR東日本の「Suica」、楽天の「楽天Edy」、セブン&アイの「nanaco」、イオンの「waon」、NTTドコモの「iD」、KDDIの「au WALLET」、首都圏民鉄の「PASMO」などがある。

2018年4月に経済産業省を中心にまとめられた「キャッシュレス・ビジョン」では、仕様の統一、決済基盤を提供する事業者への補助金、キャッシュレス決済企業への政策減税などの政策提案が盛り込まれた。
2019年10月予定の消費税増税時、ポイント還元などキャッシュレス優遇策が取り入れられることも、この分野への新規参入に拍車をかけている。 

ICT総研が2019年1月に発表した「モバイルキャッシュレス決済の市場動向に関する調査」によると、決済手段は1,000円以上3,000円未満(税込)では現金が71.6%、クレジットカードが43.6%、カード型電子マネーが17.7%だった。スマホアプリの電子マネー9.2%、スマホのQRコード決済4.1%にとどまる。 

決済金額が1万円以上3万円未満(税込み)になると、現金44.7%、クレジットカード68.3%とシェアが逆転する。スマホアプリの電子マネー4.0%、スマホのQRコード決済2.6%と、金額が高くなるほどシェアはさらに小さくなる。日本では現金が決済手段の王者に君臨し、クレジットカードがそれを補完している。
スマホQRコード決済は、事業者側はパターンを印刷するだけで利用可能なこともあり急成長が見込まれる。 
ICT総研はスマホキャッシュレス決済の利用者数(年度末の1カ月に1回以上利用するアクティブユーザー数)の今後の伸びは、スマホアプリの電子マネーが2018年度の1157万人から2021年度の1953万人へ3年で68.7%の増加を見込んでいる。スマホQRコード決済は同じ期間に512万人から1880万人へ3.67倍の伸びを見込んでいる。 
予測通りであれば、3年後の2022年度にはQRコード決済が電子マネーアプリを追い越す。
「○○ペイ」は、そんな近未来を見越してのことなのだ。 

QRコードも電子マネーも、スマホキャッシュレスの現状は「大都市圏ではそれなりに進んでいるが、地方ではまだまだ」という状況だ。
「旅行先で現金がないと困る」という不安もあり、10連休直前、銀行ATMの一部で紙幣が払底して停止する事態も起きた。「現金決済第一主義」ならではの出来事だ。

スマホキャッシュレス決済を普及させようという動きが、地元の金融機関主導で始まっている。 
2018年10月、エムティーアイの口座直結型QRコード決済「&ペイ」は茨城県の常陽銀行、北海道の北洋銀行と提携した。 
2019年3月、みずほ銀行は地方銀行21行と提携した「J-Coin Pay」を開始した。同5月に全国約2万4000カ所の郵便局網がバックにある「ゆうちょペイ」が参入した。 
5月22日には凸版印刷が「地域Pay」という決済プラットフォームの提供を開始した。これは全国の地域ごとにある電子マネー、自治体や商店街のポイント制度、プレミアム商品券、観光カード・クーポンなどを統合、デジタル化し、地方のキャッシュレス化を推進する。 

地銀がつけば、商工会議所など地元経済界とパイプがあるだけに、普及にはずみがつくことが考えられる。
地方にはまだキャッシュレス決済の未開拓地が大きく広がっており、これから加盟店獲得、シェア奪い合いの「主戦場」になる可能性は大きい。 

8月1日には、経産省の主導で「○○ペイ」の統合を目指す統一規格「JPQR」が発足する。
「PayPay」「LINE Pay」などQRコード決済9事業者が参加し、岩手、長野、和歌山、福岡の4県で小売店キャッシュ レス化の実証実験が始まる。地方に重点を置く「ゆうちょペイ」「J-Coin Pay」や福岡銀行の「YOKA!Pay」も加わっている。 

2018年、日経MJの「今年のヒット商品番付」は「スマホペイ」が“東大関”、楽天市場の番付では「キャッシュレス化需要」が“西大関”、SMBCの番付では「キャッシュレスの加速」が“前頭2枚目”だった。 
2019年上期の日経MJの番付では「スマホペイ還元」が“西横綱”に選ばれた。 
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