「最新のインバウンド観光のトレンド!」(講演概要)

「最新のインバウンド観光のトレンド!」(講演概要)
NPO法人 スマート観光推進機構 理事長 星乃 勝 様 
(令和元年 8 月 5 日)
今日は、インバウンド観光でこんなことが起きてるというような”ヘ〜””ホ〜”という話から、今後どのようになるのかを紐解くお話をさせていただきますと講演を始められました。
まず少子高齢化について、14歳以下の人口の減少し65歳以上の高齢者が大幅に増加。そして生産年齢人口が急減することです。そして人口が減少するから、交流人口(観光)でカバーしよう。日本人は減少するから、外国人でカバ−しよう。それが、雇用や経済につながるので、国も観光に取り組んでいるとのお話でした。

2018年の訪日客の旅行者数は3,119万人(対前年比8.7%増)、旅行消費額は全体の17.3%にも拡大し、日本人の観光の減少を訪日客がカバーしています。でも日本だけが外国人観光客が増えているのではなく、世界中で観光客が増えています。2000年の6億8千万人が、2018年に14億人になりました。2030年には18億人と予測されています。

トリップアドバイザーの「外国人に人気の日本の体験・ツアー2019」ベスト30によりますと、大阪10件、東京10件、京都8件。大阪はアクティビティが少ないと言われていましたが、一気に増えてきました。
そして訪日客の「コト消費」は地方に広がっています。沖縄では「リゾートウェディング」が、伊勢志摩では「海女小屋体験」が、高野山では「宿坊体験」が、「しまなみハイウェイ」では「レンタサイクル」が増加しています。これらのアクティビティは地方にあるので、地方への分散に繋がっているのです。
訪日客の「飲食費」「宿泊費」「娯楽サービス」が二桁増で、1位の「買物代」は12%も減少しています。飲食費を含める「コト消費」のウェートが高くなりつつあります。
日本の菜食主義者は5%以下ですが、欧州では15%、インドでは30%と言われています。しかし菜食主義者やムスリム(イスラム教信者)向けの料理を提供する店舗は、まだ少ないです。
純資産3000万ドル以上を所有する「超富裕層」は、2016年に20万人。世界人口の約0.003%、資産は世界全体のGDPの3割に達するといい、超富裕層はプライベートジェットで移動し、高級ホテルに宿泊し、特別な体験を希望されるといいます。そして全国を飛び回られるのです。

観光地の公衆トイレは2016年度に2万4524基、大便器の42%、1万基が和式トイレといいます。訪日客はトイレの向きが分からない。便器に座ってしまうといいます。洋式トイレの普及が求められるところです。また、日本人の49%が刺青(タトゥー)は「不快」といいますが、世界では広がっています。温泉などではタトゥーを禁止するところもありますが、入浴可能な施設と入浴できない施設を明確にする必要もあります。入浴のマナーも啓発する必要があり、日本温泉協会は「入浴エチケット啓蒙ポスター」を10言語で制作しました。

訪日客の忘れ物でホテルが頭を痛めています。「放棄したものか、忘れ物かわからない」といい、宿泊名簿をもとに問い合わせ、希望があれば先方の費用負担で送り返しますが、海外発送手続きはとても複雑で、海外では着払い運送などのシステムが普及していないため、とても手間がかかるといいます。
訪日中にケガや病気になる外国人5%、医療機関にかかる必要がある人29%もいるといいます。保険に加入している人は73%もおられるのですが、「外国人対応ができる医療機関はどこか分からない」「通訳ができない」といい、せっかく旅行保険に入っても医療を受けられない方もおられるといいます。

訪日外国人の「コト消費」の1位は「スキー・スノボー」87%です。「トレッキング」も増えています。また訪日客の遭難も増えています。バックカントリースキーが55%といい、訪日客は日本人では考えられない行動も多いようです。

日本人のキャッシュレス決済が進んでいないといいます。中国では、「アリペイ」「ウィチャットペイ」のQRコード決済が普及しており、中国人から見れば「こんなに便利なQRコード決済が使えない日本は遅れている」といいます。しかし日本のスマホQRコード決済は、2018年度の512万人から、2021年度には1880万人へ増えるとも予想されています。

2019年〜2021年に開業予定の客室数は、9都市で24%の8万室が増加します。大阪で21,000室、東京と京都で12,000室が過剰になるといわれています。客室稼働率が低下し、宿泊料金も下がり始めています。

国際旅行支出は中国2580億ドル、米国1350億ドルの倍でダントツです。世界から中国人観光客にラブコールが贈られています。
ドンキホーテの免税品販売のピークは22時です。観光客は「お土産を持ちながら観光はしたくない」といい、この時間帯が混雑するようです。
中国人訪日客に人気なのが「牛乳」。中国では加熱するので冷たい牛乳は新鮮だといいます。
中国の都市部の人が農村部に出向くことを「肺を洗う」といい、海外の汚れていない空気に触れることを「肺を取り換える」といいます。キレイな空気を求めるのが観光の目的になる時代を迎えつつあるのかもしれません。

世界の国際会議は1万2563件。日本での開催は492件で第7位です。国内では1位が東京、2位が神戸市、3位が京都市、そして大阪市は7位です。大阪は展示場のインテックス大阪も老朽化しており、国際会議場も離れているなど見直しが求められています。カジノを含む統合型リゾート(IR)の大きな目的の一つになっています。しかし、現在の「夢洲」はコンテナ埠頭とメガソーラ発電所があるだけです。万博用地100haとIR用地70haといい、埋め立て未了地域も広大です。早く建設に着手する必要があります。

訪日外国人旅行者の受入環境は大幅に改善しました。「困ったことはなかった」は30年度36.6%にもなりました。さらに困っていることを改善して訪日客に「日本が好き」になってもらいたいものです。
 
スマート観光推進機構のホームページがリニュアルされます。(https://www.smrtkanko.com
観光トピックスはこれまで2555回配信され、『観光のひろば』の記録も33回掲載されています。配布資料データも全て公開しています。ぜひご活用くださいと話を締めくくられました。
講演終了後、「刺激的な講演内容だった」と嬉しいお言葉をいただき、講演依頼や、別の企画への参加を呼び掛けられたとのお話でした。