トリップアドバイザーの日本人ユーザーの倍増、そして今後の目指す方向!

トリップアドバイザーの日本トップに聞いてきた、日本人ユーザーが倍増した秘訣から3年間で起きた大きな変化まで

 (トラベルボイス 2019年8月26日)
 
トリップアドバイザーの存在感が増している。
2014年に体験アクティビティ予約サイト「Viator」 を買収し、2016年に「ぐるなび」と提携。今後は美術館や博物館など観光施設のチケット事前購入サービスが拡大すると予測している。
日本は、紙のガイドブックなどが強く、インターネット、特にアプリの利用が相対的に低い。
旅行業界はBtoBが強いが、良い製品開発には良いユーザーの視点が大切という。
 
【ポイント】
タビナカ体験へと事業を拡大しているトリップアドバイザー日本法人の代表取締役の牧野友衛氏に、日本市場の特長、今後の注力ポイントについて聞いてみた。

日本法人としては、日本人ユーザーを増やすことと日本での売上を伸ばし、掲載施設数を増やす。数年前と比較すると、日本のホテル、観光施設、レストラン数は他社と遜色ないレベルに達した。
もうひとつは日本語化を実現し、掲載施設数の増加に合わせて検索の精度も上げた。サイト内検索、ディレクトリー検索、サジェスト機能(変換前に途中で地名などの候補が出す検索補助機能)を加えることで、使い勝手を向上させた。
トリップアドバイザーはユーザー数を公表していないが、第三者データでは、アプリ利用者も含めた日本人のユーザー数は二倍に増えた。現在、トラフィックの8割が国内旅行で利用する日本人ユーザー。この傾向は日本の特長で、アメリカでは海外旅行で利用するユーザーの方が多いという。
また、日本では観光施設のトラフィックが一番多く、ホテルのトラフィックが多いアメリカとは閲覧傾向が異なる。
2016年から「ぐるなび」と提携。「ぐるなび」が所有する日本国内のレストラン情報がトリップアドバイザーに掲載され、「ぐるなび」のレストランページへの予約導線が引かれている。多言語化することで、日本人ユーザーともに訪日外国人の利用も増加した。
他国ではレストラン予約プラットフォームを買収してレストラン事業を拡大させている。
2014年に体験アクティビティのオンライン予約サイト「Viator (ビアター)」を買収。現在ブランド名を「トリップアドバイザー・エクスペリエンス」として展開している。
トリップアドバイザーでは全社的にエクスペリエンスに力を入れており、日本とフランスは注力市場に選ばれている。訪日向けとしては「トリップアドバイザーに登録すれば、世界中で売れる」ことが最大のメリットとアピールしている。JCB決済にも対応し、日本人旅行者向けの品揃えも増やしている。
「エクスペリエンス」のグローバル展開で日本がテスト場になっている。
今後は美術館や博物館など観光施設のチケット事前購入サービスが拡大すると予測、「消費者にとってはチケット購入で長い列に並ぶ必要がなく、サプライヤーにとってもキャッシュレス対応が可能になる」と利点を説明する。
牧野氏は、トリップアドバイザー入社前は、GoogleやTwitterなどで製品開発や業務提携などを歴任。Googleマップの日本導入にも尽力した。旅行ビジネスに携わるのはトリップアドバイザーが初めてで、「旅行業界はBtoBがすごく強い」インターネット業界では、消費者のことを常に考えて、使い心地のよさを改善する。「そういう話を旅行業界ではあまり聞かない」と話す。

それでも近年は、消費者を意識するマーケティングの発想も強くなってきた。
きっかけはインバウンドだ。データを示してターゲットを明確にすることの重要さを説明する機会が増えたという。トリップアドバイザーとして、今年はじめて「インバウンドレポート2019」を発表。
日本の旅行形態は「紙のガイドブックなどまだオフラインが強く、インターネット、特にアプリの利用が相対的に低い」と指摘する。インバウンドではデジタルを駆使して市場に参入する若い世代が増えているが、既存のチャネルが強く、デジタルがなくても便利に旅行できる環境があるからだと分析した。
「日本人は予定をすべて決めてから旅行に出る傾向が強い」ことも特長。この傾向から、タビマエのプランニング段階でのプロダクト開発に注力していく考えだ。
製品開発の第一歩はよいユーザーであること。基本的に自分が使いたいプロダクトを出すこと。
トリップアドバイザーという「箱」は、今後どのようなコンテンツが入り、デジタル化が急務の日本の旅行市場にどのような化学変化を加えていくのだろうか。