オリパラ開催年の訪日客減少を防ぐ対策、スポーツツーリズムなど新規需要開拓!

オリパラ開催年の訪日客減少を防ぐため地域や時期の分散に着手、スポーツツーリズムの開拓も—JNTO第4回メディアブリーフィング  

(やまとごころ 2019年9月26日)
オリパラ開催年に、ギリシャ、中国、イギリスなどで訪問客が減少している。開催決定から右肩上がりで増加し、五輪開催年に落ち込み、その後また増加に転じている。
五輪開催中はホテルが混む、価格が高いなどが理由だ。対策として宿泊分散、地域分散などへの早期着手が重要となる。さらに訪日需要が高まる対策を国も真剣に考えている。
【ポイント】
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、8月の訪日外国人15市場は過去最高を記録したものの、韓国が前年同月比48%減少となったのが響いて、全体でもマイナスに転じた。

韓国市場は、2018年夏に自然災害の影響で減少し、2018年後半にようやく前年並みに回復したが、2019年前半は停滞傾向にあり、7月から急減した。
特に8月最終週は前年同月比60.9%の減少だった。

8月の各空港・港別の訪日韓国人旅行者数を見ると、関西、福岡など西日本へのアクセス減が目立つほか、対馬市にある2つの港と博多港の落ち込みが大きい。女性客が前年同月比53.3%減と、男性客に比べて落ち込んだ。
韓国市場の縮小化は避けられないが、こうした中で訪日してくれる韓国の観光客に対しては全力でサポートするべきだとし、JNTOの韓国事務所では、韓国側のリクエストで航空会社や旅行会社との共同広告等の実施はスタンバイ状態だが、ウエブサイトやSNSでの情報発信は継続しているという。

一つの市場に頼ると影響が大きすぎる、というのが今回の教訓なので、JNTOとしては一市場の情勢に左右されない、強い足腰にすべく政策を進めていく。
また、韓国を除く訪日客の推移では8月は11.5%増となり、悲観すべきではないとした。

2020年のオリンピック・パラリンピック開催年に訪問客が減少(クラウディングアウトの発生)した事例が、ギリシャ、中国、イギリスなどであった。いずれも開催決定から右肩上がりで訪問客が増加したものの、五輪開催年に落ち込み、その後また増加に転じている。
五輪開催中は混むので、ホテルが取れない→仮に取れたとしてもすごく高く、一般客には手が届かない→宿泊が取れないので旅行会社も旅行商品が造れない→そのため、来たくても来られない人が出てくる。
東京でもクラウディングアウトの可能性があり、対策への早期着手が重要。宿泊分散、地域分散、時期分散など、魅力あるオプションを示すことで五輪期間の減少を防ぐことが大事。
一度他国に流れた旅行者を取り戻すのは労力がかかるため、これを攻めの機会と捉えたプロモーションを進めていく。特別拝観、特別割引、リピーター特典など「2020年限定の特別プログラム」の検討を大至急進めていく必要がある。
新たな分野としては、スノー、ゴルフ、ダイビング、バードウォッチング、アドベンチャーなどスポーツツーリズムが挙げられ、愛好者に日本の魅力を訴求していくとした。
バードウォッチングは欧米では富裕層に人気のスポーツであり、長期滞在型の観光と高い旅行消費を期待できる。バードウォッチングに精通したガイドの育成やコンテンツの発掘などが課題だ。