「外国人への日本の情報発信のキモ!」(講演概要)

「外国人への日本の情報発信のキモ!」 (講演概要)

株式会社ボーダレス インバウンド事業部部長の呉 偉偉 様 (令和元年10月 9日)

 

呉さまは、中国内モンゴルご出身で、2007年に青森大学に入学、来日して12年になられます。2013年に(株)ボーダレス入社、2014年にインバウンド事業部を設立され、インバウンドの現場に精通されています。日本語も堪能で、穏やかな説得力のある話し方をされます。

 

(株)ボーダレスは、①多言語サポート、②Eコマース、③インバウンド集客、④システム開発の事業会社です。大阪に本社を置き、東京営業所、そして韓国・中国・フィリピンに現地法人を持ち、バイリンガル人材を抱え、ITに精通した会社です。社員総数は140名で、インバウンド集客だけでなく多角的な事業を進められています。

 

外国人へのプロモーションには、8億人の中国人が使っている中国最大SNS「微博(ウェイボー)」、  中国人観光客の集客に不可欠な口コミサイト「大衆点評」、英語圏集客のクチコミサイト「トリップアドバイザー」、そして世界的集客ツールの「Google」の使い分けが必要だとの説明から始まりました。

 

中国は、中国政府の検閲によるネット閲覧制限があるため、グーグル、ツイッター、フェイスブック、そしてLINEが使用できません。グーグルにはバイドゥ、ユーチューブにはヨーク、ツイッターとフェイスブックにはウェイボー、LINEにはウィーチャットが、中国で同じような役割を担っています。

 

「微博(ウェイボー)」は、ツイッター(短文のつぶやき)+フェイスブック(長文のブログ)の機能を持つ、中国最大のSNSで、個人アカウント8億人、日本企業の公式アカウントも2556件(2017年から3倍)、これからも増えていきます。ユーザーは、学歴や収入が高い層が多く、海外に行く頻度も多く、消費額も高くなるといいます。

短文記事は140文字が基本ですが770文字まで投稿が可能であることや、写真を9枚まで投稿できるなど、ツイッターとは少し違います。長文記事は文字数と写真については制限がありません。そして動画(13分)が観光などには一番効果的です。

 

ウェイボーには、「ハッシュタグ」「抽選会」「アンケート」「ショッピング」の機能があります。

「ハッシュタグ」は【#〇〇〇#】と#で囲む必要があり、ハッシュタグのつけ方も違っています。そしてハッシュタグにより、①投稿記事を一番上に設定、②話題テーマと関係ない内容を非常時に設定、③投稿記事ホット記事に設定する機能も持ち、話題テーマで検索したユーザーが、話題の管理者をフォローするため、フォロワーが増えるといいます。

「抽選会」の某電鉄の事例では、抽選会により閲覧数が増大し、当選者のうち9割の方が1ヶ月以内に来日し、来日した体験をSNSにアップしたといい、情報が二度拡散したことになります。

「アンケート」の事例では、「麺では何が好きですか?」の問いで、答えは「ラーメン」ですが、「ラーメンの麺をうどんの出汁で食べると美味しい」とのコメントも寄せられ、マーケットリサーチにも繋がるといいます。また「日本の児童施設に子供を預けるか?」の問いに、「預ける」が60%もあったそうです。先入観だけで考えるのではなく、実態をつかむことも重要だとのお話でした。

「ショッピング」では、記事からショッピングができ、タオパオのURLを貼り付けオンラインショッピングとの連携も図れること、またテスト販売にも適していることも紹介されました

 

ウェイボーの運営がうまくいかない理由は、①中国人目線で配信ができない、②ウェイボーの特性を理解していない、③流行が把握できてない、④配信が持続できない、⑤インフルエンサーをうまく利用できないが紹介されました。ウェイボーのアカウントを取っても継続できない点が最も大きいようです。魅力のある記事を継続的に投稿して、認知度を格段に向上させた事例も多数紹介されました。

効果的にプロモーションするには、現地スタッフにより情報収集ができ、ウェイボーを熟知した人間が継続的に情報発信することがキモのようでした。

 

「大衆点評」は、登録ユーザー6億以上、年間オンライン決済額2500億元以上という、中国最大の飲食店情報サイトです。飲食店情報に止まらず、観光地情報、ホテル予約からショッピングまでできるサイトです。

「大衆点評」には、「非会員」「一般会員」「VIP会員」とランクがあり、顧客に訴求するには上位ランクの会員になる必要があるようです。また、クーポンの発行により来店数が増加するだけでなく、数値分析できる点もポイントです。「大衆点評」の導入により飛躍的に閲覧数が増大し、来店客に結びついた事例も紹介されました。

 

「グーグル」のシェアは約7割を占める世界最大の検索エンジンですが、中国本土で使えません。しかし訪日中国人の9割以上がグーグルを使っているといいます。

グーグルで集客するポイントは、「地域名×業種」や「地域名×食べ物」などキーワード検索した時に、「グーグルマップ」の上位に表示されることです。最新情報の追加、イベントの追加、特典の追加、商品の追加の機能をうまく使って、評価を高め、集客につなげることが大切です。

また店舗名を多言語化したほうが検索されやすくなるとの紹介もありました。

 

「トリップアドバイザー」は、世界最大の旅行コミュニティで、月間平均39,000万人のユニークユーザーがいます。5億のクチコミ情報を掲載し、クチコミ言語の1位は英語で、その次に日本語、中国語、韓国語という順番だといい、欧米を中心に信頼が高い情報になります。

 

最後に、多言語対応に困っているかた、効果的に広告をかけたいかた、忙しすぎて手が回らないなどのお悩みを抱えている方は、ご相談くださいと結ばれました。

個人でアカウントを取って情報発信することもできますが、説明を聞けば聞くほど、専門家のノウハウが結果に大きく結びつくのだと思わされました。