若い訪日外国人に「ビーガン」が増加 ビーガン対応レストランが求められる!

2020年開催の東京オリンピックに向けてビーガン対応は間に合うか?(前編)

(やまとごころ 2019年10月17日)
 
 
欧米人の若い世代にビーガンが増え、イギリス人の20歳代の4人に一人はビーガンではないかという。
「ビーガン」も「べジタリアン」の一種で、植物性食品のみを食べる人達を指し、野菜、果物、穀物、ナッツ類、豆、シリアルを食するという。
日本で「ビーガンのお店を探すのが大変だ」という。「ハッピーカウ」というビーガン専門レストラン情報サイトもあるが、ビーガンに向けた飲食店が増えることが求められる。
 
【ポイント】
「ビーガン」は20世紀中頃に登場し、「Vegan」と書き、「Veg(etari)an(べジタリアン)」が短縮された言葉。
1944年、イギリスで「ビーガン協会」が設立され、2012年ロンドンオリンピックを契機に、ビーガン対応のレストランが急速に増えたという。
「ベジタリアン」は細分化されている。
 ・「ビーガン」(植物性食品のみを食べる)
 ・「ラクト・ベジタリアン」(植物性食品と乳製品は食べる)
 ・「ラクト・オボ・ベジタリアン」(植物性食品と乳製品、卵は食べる)
 ・「ペスコ・ベジタリアン」(植物性食品と魚、卵、乳製品は食べる)
上記の他にも多くのカテゴリーに分類されているようだ。
共通している考え方は、自身の健康、動物愛護や環境問題への意識が背景にあり、「ビーガン」は、野菜、果物、穀物(パスタなども含む)、ナッツ類、豆類、シリアルを食するという。
ーガン食のコンサルティングの千葉芽弓さんは「やっとここ最近、注目が高まってきました」と答える。
5年前に「Tokyo Smile vegges 」という団体を立ち上げ、ベジタリアン料理の普及活動を仲間と開始した。当時、東京オリンピックの開催が決まる一方で東京はダイバーシティになっていないという危機感を持っていた。欧米等では普通にあるベジタリアンメニューが、東京のレストランではほとんどない。
料理人は素晴らしい腕があるにかかわらず、迎え入れる店も何をつくっていいかわからない状況である。
この団体のコンセプトは、訪日外国人にもベジ食を気軽に楽しめるための飲食店の普及活動だ。
 
ビーガン用のラーメンサラダ、豚丼では、ラーメンの麺はビーガン用にコンニャクの麺や小麦だけの麺を使用し、豚丼は肉の代わりに、コンニャク、大豆を利用して肉のような食感にしている。プリンは、トウモロコシをすりつぶして作ったものだ。
イベント参加者は、ビーガンの在住外国人、日本の精進料理に興味ある在住外国人、そしてビーガン食に興味のある日本人など約18名だ。英語での解説もあり、インターナショナルな場だったという。
イベントをオーガナイズするのは、「アトリエ・カフェ」という鎌倉で精進料理など、食とコミュニケーションをテーマに、様々な企画を提案する角井尚子さん。料理には肉・魚・乳製品を使用しない方針とのこと。
千葉さんがビーガン食に興味をもったきっかけは、美味しいものを食べ歩きしていたところ、健康にも気をつかうようになり、「マクロビオティック」に出会い、体質改善を図ることができたのが大きな転機となった。
ベジタリアンの知見が広がり、ビーガンに出会うことになり、外資系企業で働く中、ベジタリアンゲストが必ずいるのに、その対応ができていないところにも何か自分ができないか?と思い活動が始まったという。
このように、若い女性が健康目的でビーガンに興味を持つ人も少なくないようで、若い女性の健康食志向とビーガンの親和性が高い。
新宿で外国人旅行者に大人気の「kiboko(キボコ)」というビーガンレストンのターゲットは、働く女性だった。
2014年開業で、店を始める前は飲食関係に勤め、仕事でバリバリ頑張ったが、帰るとコンビニ食になっていた。そこで女性向けに、体に良質なものを提供するお店をしたいと考え、飲食店の起業に向けてオーガニック料理を学び、ビーガンを知るようになったという。当初、健康志向のOLさんが多く、たまに外国人観光客が訪ねる程度だったのが、現在は、7割が外国人観光客だという。
「ハッピーカウ」というビーガン専門のレストラン情報サイトに掲載したところ、認知度があがり、多くの外国人観光客が訪ねるようになったそうだ。新宿御苑という外国人観光客が好むスポットに近いのも好材料だろう。
 
外国人観光客に人気のメニューは、「パクチー餃子」「車麩(くるまふ)の照り焼」きなど、日本の家庭料理のような味が好まれるそうだ。せっかく日本に来たのだから、ご当地ならではのビーガン料理を食べたいのではないかという。
kibokoが「ワインバー」であることがポイントではないかという。一般的にビーガン向けレストランは、カフェタイプが多く、ワインバー的なお店が少ない。もっともビーガンの人は、酒を飲まない方が多く、一方、kibokoには、お酒好きなビーガンがやって来る。お酒にあう小皿料理が多いのも人気の秘訣だろう。
 
日本で、ビーガンのお店を探すのが大変だというのが外国人の共通のコメントだ。
沼波さんは、決して英語が得意なわけではないが、コミュニケーションを取るように心がけているので、そのあたりも外国人からの支持が高いのだろう。日本への旅行がリピーターのビーガンもいて、kibokoが日本で一番好きなところだというコメントもあった。
沼波さんは今後、伝統文化を体験できることをしたいと抱負を語る。例えば、ビーガンも楽しめる味噌づくりや梅干しづくり等にもっと力を入れたい。